『日刊スポーツ』の記事;
私と同じか、ちょっと下の世代では、本物の「三波春夫」*1つまり三波豊和の父親を知る前に偽物の「三波春夫」を知ったという人も少なくないんじゃないか。そのおかげで、「じゅん」と「長作」は名前を憶えられたけど、「正児」はなかなか名前を憶えてはもらえなかったのだった。さて、「じゅん」も2014年に他界し、今回「長作」が逝き、「レツゴー三匹」は〈レツゴー一匹〉になってしまった。最後に残った〈一匹〉がなかなか名前を憶えてもらえなかった人だというのも、何だかアイロニカルではある。
レツゴー長作さん死去、16年肺がんで入院 74歳
記事提供:日刊スポーツ
2018年2月4日
お笑いトリオ「レツゴー三匹」のレツゴー長作(本名・永原誠=ながはら・まこと)さんが1日午後8時35分、大阪市内の病院で亡くなっていたことが4日、分かった。74歳だった。通夜、葬儀は親族のみで、密葬で行われた。
所属事務所によると、16年3月末から、進行性の肺がんのため、大阪市内の病院に入退院を繰り返しており、最後の舞台は同年3月27日の道頓堀角座だった。「故人の遺志により、お別れの会などは予定していない」という。
長作さんは抗がん剤や放射線の治療を受け、当初は快方に向かっていたが、昨夏ごろから体調が悪化。事務所は「夫人がつきっきりで看病していた」そうで、昨年末からは緩和ケアに入っていた。24時間体制で見舞いができる環境で、長作さんはたびたび、長男、長女、次女の見舞いも受けていた。
同事務所によれば、長作さんは子供たちにそれぞれ話をする環境にあったといい「家族仲良く、お母さんを大事に」と繰り返し伝えていたという。
戒名は「浄光法誠信士(じょうこうほうせいしんし)」。棺には、友人からの手紙、老眼鏡、めがね、三味線のバチ、漫才台本などが入れられ、送られた。
長作さんは64年、松竹新喜劇に入り、先代渋谷天外さんに師事。同年11月に初舞台を踏んだ。その後、タイヘイトリオの門下生となり、69年にレツゴー三匹を結成。71年「第6回上方漫才大賞 新人賞」を獲得し、勢いにのって、2年後の73年には「第8回 上方漫才大賞」を獲得。79年には「上方お笑い大賞 金賞」も受賞するなど、大活躍した。
漫才の一方、「人長作(じん・ちょうさく)」として歌手としても活動。津軽三味線を操る「ぼやき漫談」や、また、俳優としても活躍した。
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01802047097.html
2014年の『日刊スポーツ』の記事;
「レツゴー三匹」じゅんさん急死 正児「足が震えた」
ベテラン漫才トリオ「レツゴー三匹」のレツゴーじゅんとして活躍した俳優の逢坂じゅん(おうさか・じゅん、本名渡辺美二=わたなべ・よしじ)さんが8日午後5時29分、脳出血のため大阪市の病院で死去した。68歳。堺市出身。葬儀・告別式は未定。
愛きょうあるキャラクターで昭和のお笑い界を盛り上げたベテラン漫才師が突然、この世を去った。関係者によると、最近までじゅんさんは元気な様子で、5日ほど前に相方のレツゴー正児と自宅近くの喫茶店で会っていたという。3日ほど前に急激に体調を崩し、入院したとみられる。ベテラン漫才コンビの「三吾・美ユル」と懇意にしており、今秋には独演会に出演する意向だった。
じゅんさんは吉本新喜劇などを経て、レツゴー三匹の結成に加わった。吉本興業所属時代、「コメディNo・1」「横山やすし・西川きよし」「中田カウス・ボタン」とともに頭角を現し、70年代の関西お笑い界をけん引。「じゅんでーす」「長作でーす」「三波春夫でございます」という口上で全国に知られ、上方漫才大賞などを受賞する人気トリオとして活躍した。じゅんさんは、外国人の物まねで「アメリカでは〜」「これからは〜」など、数々のギャグを生みだし、世間を笑わせた。
トリオでは2年前にレツゴー正児の弟子「幸助・福助」の独演会に出演したのが最後となった。
自宅が近かった正児は「ここ最近は凄く仲良くしていた。じゅんさんの姉から訃報を聞いて、足がガクガクと震えた。ただただ信じられず、涙が止まりません」と肩を落とした。
最近会っていなかったというレツゴー長作は「一番若いじゅんが逝ってしまうなんて、今はまだ実感がなく、つらいとか悲しいとか通り越して、頭の中で思い出が走馬灯のように巡っています」と話した。
後年は逢坂じゅんの芸名で、俳優としてテレビや舞台でも活躍。昨年は、TBS「半沢直樹」やNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」など人気ドラマにも出演していた。
逢坂 じゅん(おうさか・じゅん、本名渡辺美二=わたなべ・よしじ)1945年(昭20)7月2日、大阪府堺市生まれ。64年11月、吉本興業で初舞台。69年10月に「レツゴーじゅん」の芸名で正児、長作と「レツゴー三匹」を結成。71年「上方漫才大賞新人賞」、73年「上方漫才大賞」を受賞。
[ 2014年5月9日 05:30 ]
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/05/09/kiji/K20140509008124610.html
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (20件) を見る