『朝日新聞』の記事;
先ず思い出したのは、2009年に大学構内で卒業生に殺された高窪統中央大学理工学部教授の世田谷区成城の自宅周辺に「「殺」「死」などと書かれた落書き」が事件前から書かれていたということ*1。こちらの〈呪いのディスクール〉は単体としての「脅迫」事件であるようだが、成城の〈呪い〉の方はその後犯人が見つかったのかどうか、殺人事件と関係があったのかどうかということについてはまったく知らない。
わら人形を通学路に…脅迫容疑で逮捕 「クソがき死ね」2017年9月28日20時23分
通学路に自作の「わら人形」をつるして小学生を脅したとして、警視庁は東京都江戸川区の無職の男(41)を脅迫の疑いで逮捕し、28日発表した。男は「公園で騒ぐ子どもの声がうるさくて頭にきた」と容疑を認めているという。
小松川署によると、男は26日午前5時ごろ、同区内の小学校の通学路の途中にある歩道橋の手すりに、マツの葉を組み合わせて作ったわら人形(高さ12センチ、幅8センチ)と「小学校のクソがきどもここからとびおりてみんな死ね」などと書いた紙をつるし、通行する児童を脅した疑いがある。
昨年6月以降、男の自宅に近い同校の学区内の公園のベンチなどに「がきどもみな殺し」などの落書きが約30件あり、署が防犯カメラを増設するなどして警戒していた。歩道橋近くの防犯カメラに、男が人形をつるす姿が映っていたという。
http://www.asahi.com/articles/ASK9X6GV9K9XUTIL07R.html
後、連想したのは、保育所を作ろうとすると、幼児の声がうるさいといったいちゃもんが高齢者から出て、保育所建設自体が頓挫してしまうという話。賃金労働者は正規・非正規に関らず、出勤して、自宅附近にはいないので、保育所がうるさいかどうかというのはあまり重要な問題ではない。学生も同様だろう。高齢化社会というのは〈ニート〉が増える社会*2。つまり、昼間自宅附近に滞留する人が増える社会。「無職の男(41)」というのは(年は若いけれど)社会的なポジショニングとしては高齢者に類似しているといえる。保育所問題の解決は、高齢者にとって迷惑だから保育所はやめましょうということではなく、寧ろ爺は昼間パチンコ屋に出勤していろ! ということだろう。この41歳の人も、「公園」に出勤せずに、カフェとかゲーセンに出勤していれば、「小学校のクソがきども」に煩わされることもなく、「脅迫」で警察に捕まることもなかっただろう。
自分が作った「わら人形」が呪学的に正しかったのかどうか、カフェとかでゆっくり「呪験勉強」(小松和彦、内藤正敏『鬼がつくった国・日本』)をしていただきたいものだ。
鬼がつくった国・日本―歴史を動かしてきた「闇」の力とは (カッパ・サイエンス)
- 作者: 小松和彦,内藤正敏
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