「もう二度と会えないこと」

教えて!goo スタッフ「子どもに「死ぬってどういうこと?」と聞かれたら」https://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/1213b991100642afd80339e3f379f8fb/


「一般社団法人子育てカウンセラー協会」*1の角田智子さんの話。「子育てカウンセラー協会」というのはかなり胡散臭さがぷんぷんしているようなのだが*2、ここで述べられていることに限っていえば、まあ納得できることが多い。「死という概念を理解できるようになるのは6〜7歳の頃」。これについては、中沢正夫『「死」の育て方』なども参照のこと。私は、多分ミードの謂う「一般化された他者」*3の成立という事態と関係しているのだと思っている。また、(死者とは)「もう二度と会えないことを事実として教えてあげ」ることが肝要であると。ただ、現代社会に限った話ではないけれど、私たちは不可逆的な死を実感する以前に、何度でも反復可能な死の感覚に慣れ親しんでしまうということはないのだろうか。ゲームでは、リセットさえすれば何度でも生き返ることができる。

「死」の育て方 (ちくま文庫)

「死」の育て方 (ちくま文庫)

ところで、思い出してみると、最初に〈死〉について意識したのは、小学校1年の終わりか2年の初めの頃だったかと思う。誰かが火葬について話した。死んだら燃やされる。そのとき、死んでも燃やされるのは嫌だと思った。熱いし痛いし。〈死〉そのものよりも火葬されることに恐怖を覚えた。
さて、

最後に、子どもに死というものを教えるのにおすすめの本を教えてもらった。

「一つは、有名なのでご存じの方も多いと思いますが、『100万回生きたねこ』(講談社)。何度も死んでは生き返ることを繰り返してきたねこが、最後は本当に大切なものに出合うという物語です。読み終わった後に感想を話し合うことで、子どもの想像力を膨らませることができます。もうひとつは、『わすれられないおくりもの』(評論社)。こちらも、人間ではなく動物(アナグマ)を通じて、生きることの大切さに触れている絵本です。自分という存在の大事さについて、学ぶことができると思いますよ」(角田さん)

子どもだけでなく、大人にもぜひ読んで欲しいこの2冊。物語について子どもと語り合って、命について学ぶきっかけにしよう。

佐野洋子の『100万回生きたねこ』を読んでも、〈死〉とは何かがわかるということはないだろう。大人にしても子どもにしても。寧ろ〈生〉の意味を問いかける本。
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)