「屋内は原則禁煙」(東京都)

煙草を止めてからもう5年になるのだった*1

茺田理央「「屋内は原則禁煙」 東京都が条例制定へ  5万円以下の罰則規定も?」http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/08/secondhand-smoking_a_23202422/


「他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を防ぐため、東京都は9月8日、飲食店や公共施設などの屋内を原則禁煙とする罰則付きの条例を制定する方針*2を発表した」。それによると、


・医療施設、小中高などの教育施設、児童福祉施設:敷地内の禁煙=健康影響を防ぐ必要性が高い未成年者や患者が利用するため。

・大学、体育館などの運動施設、官公庁や老人福祉施設:屋内禁煙=多数の人が利用し、他の施設では代替が難しいため。

・居酒屋やラーメン店などの飲食店、ホテル(客室を除く)、事業所(職場)、娯楽施設など:原則屋内禁煙(喫煙室の設置可)=利用者側に他の施設を選択する機会があるほか、嗜好性の強いためため。

・小規模のバーやスナック:禁煙の対象外=面積30平方メートル以下、主にお酒を提供する、従業員を使用しないか全て従業員が同意すること、未成年を立ち入らせない、といった条件付き。

・バス、タクシー、飛行機:車内禁煙(喫煙室の設置不可)

・電車、船:原則車内禁煙(喫煙室の設置可)

勿論喫煙者にはご不満だろうけど、まあ妥当な規制ではあろう。今年の3月から施行されている中国上海市の屋内禁煙条例とほぼ同じか。
都民ファシストもといファーストの会が公明党と共同で提出を予定している条例案はこれとは別物か。


石田雅彦*3「「都民ファ」子ども受動喫煙条例案の「真意」を探る」https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20170829-00075089/


「子どもを受動喫煙から守る条例(案)」策定の中心人物である岡本こうき都議が、個人的情報発信禁止の党是*4からは例外的にインタヴューに答えている。
「子どもを受動喫煙から守る」という動機に異議を差し挟む人は多分いないだろう*5。ところで、今回の条例案というのは「啓発条例」であって、「特に監督行政も設置せず、罰則も決めない」という。しかし、「将来的には罰則規定も含めて段階的に範囲を広めていくつもりだ」という。この手口にファシストぽさを感じてしまう。何というか、最初はエロとは関係のない普通のモデルということで勧誘したのに、いざ実際の撮影になると、いきなりブラジャーを取ることを強制するみたいな。「罰則」を「決めない」のなら条例を作るべきではない。この条例案を巡って、ネットでは家庭内の喫煙を規制するというのは密告を奨励するということかという意見があった。まあファシストが(それから勿論スターリン主義者も)密告というのが目覚めの煙草の一服よりも好きだというのは想像に難くないが、そういうダーク・サイドに片足を突っ込まなくても充分に実効的規制は可能だろうと思う。


こうして岡本都議は、受動喫煙の相談に応じる弁護活動を始めた。ある幼稚園から「子どもが強いタバコの臭いをまとって登園してくる。本人はもちろん、ほかの園児たちに影響がないか心配だ」という相談もあった。先生やほかの保護者も「なんとかならないか」と悩んでいたらしい。

岡本「その子どもの親は、幼稚園に送り迎えする車の中でタバコを吸っていた。狭い密室状態の車内だから、子どもの身体や衣服にタバコの臭いが染みついてしまった。そうした環境から逃れられない、自分の意志で環境を選べない子どもの前でタバコを吸うのは、一種の『児童虐待』なのではないか。そう強く感じた」

このようにあからさまなケースのみを処罰の対象にすればいいわけだ。