他人事?

朝日新聞』の記事;


「たかが二段、三段ごときが」 暴言男性を全柔連が処分

2017年5月23日18時30分

 全日本柔道連盟は23日、顔見知りの柔道選手らに暴言を吐いたとして、愛知県柔道連盟副会長の男性(66)を1年間の指導者資格停止と会員登録停止の懲戒処分にした、と発表した。

 全柔連によると、副会長は今年2〜3月、試合に出場した知人の女性選手に「八百長をしただろう」などと強い口調で言い、審判を務めた女性にも「お前なんかに審判ができるのか」と大声で言い立てた。また、別の女性選手には約3年間にわたり、「たかが二段、三段のごときが八段の俺に文句を言う」などと発言。他にも、複数の柔道関係者に対する暴言が発覚した。

 全柔連の調査に副会長は「そこまでひどいことは言っていない」と一部を否定したが、複数の人が言動を見聞きしていたことから処分を決めた。
http://www.asahi.com/articles/ASK5R5V36K5RUTQP022.html

記事のタイトルだけ見ると、「暴言」の主体は部外者、差別的な言動をしたサッカーのサポーターが出入り禁止処分を受けるということが屡々あるけれど*1、そういうものなのかと思ってしまった。しかし、記事の本文を読めば、「暴言」のため「処分」の対象となったのは身内の者というか、柔道連盟の幹部ではないか。
全柔連といえば、2013年に当時女子柔道日本代表ティーム監督だった園田隆二が選手たちに対するパワー・ハラスメントを当の選手たちによって告発されるということが起きた*2。その際に行われた緊急調査によると、

「家畜」「ブタ」「ブス」柔道女子への暴言、ここまで…


 柔道女子日本代表での暴力指導を告発した15選手への聞き取り調査をした日本オリンピック委員会(JOC)の「緊急調査対策プロジェクト」がまとめた報告書の一部内容が16日、明らかになった。監督、コーチ陣による選手への「不当行為」として、平手打ちなどの暴力や「家畜と一緒だ」などの暴言が認定された。また、この日は15選手の代理人を務める辻口信良弁護士が大阪市内で会見し、選手の最後の声明を発表した。

 「叩かれないと動けないなら家畜と一緒だ」「消えろ」「能なし」「ブタ」「ブス」。報告書は園田隆二前監督らによる侮辱的発言を認めた。

 調査はロンドン五輪代表を含む15選手から計20時間以上、7人の指導者からは計17時間以上の聞き取りで事実関係を調べた。園田前監督による一部選手への平手打ちなどの行為を確認。練習では棒やむち状のものを持ち、選手を威嚇するような行動があったという。負傷した選手の状態を考慮せず、試合出場や合宿参加を強要したとも指摘した。

 JOCは14日の加盟団体審査委員会で報告書を受け取り、青木剛委員長が「監督やコーチの言動、全柔連全体として女子選手に与えていた不当行為が確認された」と認定している。既に同委員会でまとめられた処分案は、19日のJOC理事会で最終的に協議される。

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/03/17/kiji/K20130317005410530.html


許されない…前コーチは寝技練習で口ふさぎ 虫の死骸近づけた


 柔道女子日本代表での暴力指導を告発した15選手への聞き取り調査をした日本オリンピック委員会(JOC)の「緊急調査対策プロジェクト」がまとめた報告書の一部内容が16日、明らかになった。監督、コーチ陣による選手への「不当行為」として、平手打ちなどの暴力や暴言が認定された。

 徳野和彦前コーチは寝技の練習で口をふさいだり、選手が嫌う虫の死骸を近づけたりする行為があったとしている。理由はどうあれ、指導の域をはみ出した行為があったのは間違いない。

 報告書はJOCから全柔連に対して改善勧告するように13項目にわたって提言した。対話による信頼関係の醸成、コーチ資格制度の確立や定期的な講習制度の導入、大会や合宿に医師を同行させるよう求めた。報告はJOCにも相談窓口の設置など10項目の改善を要求。問題が起きた際に競技団体が日本スポーツ仲裁機構での仲裁に応じる態勢づくりを促した。

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/03/17/kiji/K20130317005414890.html
Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130317/1363531879

まあ、組織文化というものはたかだか数年の間には大きく変われないよということだろうか。