三木も民主党系

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170512/1494608081で、孫崎享は「旧自由党系を叩いて旧民主党系をよいしょしていたわけだ」と書いたのだが、それに対して、


mtcedar*1 2017/05/13 14:06
孫崎の持ち上げ方ってそう単純とも言い切れなくて、同じ保守本流でも池田勇人は"対米追従"と貶める一方で佐藤栄作は"対米自立"を目指したと賞賛する・一方で同じ民主党系でも三木武夫は"対米追従"で(同じく"対米自立"を目指した)ロッキードの司直にかけたとして非難してるんだよね。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170512/1494608081#c1494651973
というご意見を頂いた。そうすると、自民党総裁/首相の三木武夫に抗して米国側にロッキード事件の揉み消しを懇願していた中曽根康弘*2は孫崎的には「対米自立」の旗手ということになるんでしょうか。
三木武夫が旧自由党ではなく民主党だったということは長い間失念していたのですが、彼が民主党系であるのは偏に(吉田茂のように)古典的自由主義から出発したのではないということに因るのでしょう。民主党の内部でも反主流派だったわけで、保守合同後は石橋湛山に接近することになる。
三木武夫といえば丸山眞男と近所づきあいをしていた*3。丸山の近所づきあい仲間として有名なのは埴谷雄高竹内好なのだが(苅部直丸山眞男*4、p.119)、三木も埴谷や竹内と面識があったのかどうか。さて、以前仏蘭西の代表的な知識人が巴里のお互いに歩いて行ける距離の近所に住んでいるということを知って*5仏蘭西現代思想というのは要するに〈町内会の思想〉じゃねぇかとか思った。知識人やアーティストが近所に住んで、そこから知的な或いは藝術的なスパークが起こるなんてことは、巴里やボストンや紐育ではまだ可能かも知れないけれど、カリフォルニアでは先ずあり得ないと言っていたのは誰だったか。
丸山眞男―リベラリストの肖像 (岩波新書)

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