病貧争

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朝日新聞』の記事;


自殺の動機、3人に2人「心身の健康問題」 対策検討へ

井上充昌

2017年3月23日10時31分

 2016年中に自殺した人のうち、3人に2人が心身の健康問題が動機となったことがわかった。一方、生活苦や家庭問題は2割程度だった。厚生労働省警察庁が23日に分析結果を公表した。自殺者数は7年連続で減っているが、厚労省はこうした結果を踏まえ、自殺防止対策を検討する。

 16年中の自殺者数は2万1897人。そのうち1万6297人分の遺書などを分析し、1人最大三つまで自殺の動機をまとめた。

 それによると、うつ病や体の病気など健康問題が1万1014人(67・6%)と最も多かった。生活苦や借金など経済・生活問題の3522人(21・6%)、夫婦の不和や将来に悲観したなど家庭問題の3337人(20・5%)が続いた。

 15年も健康問題が最多の67・5%で、経済・生活問題が22・7%など同様の傾向だった。厚労省の担当者は「自殺の多くは様々な要因が連鎖する中で起きている」としている。

 16年中の自殺者数は前年より8・9%減り、12年の9・1%減に次ぐ過去2番目の大幅減となった。東日本大震災に関連する自殺者数は前年より2人少ない21人。11年からの累計では183人となった。(井上充昌)
http://www.asahi.com/articles/ASK3Q6F36K3QUTFK01N.html

最近「不易」ということを考えたのだけど*1、これはそれ以上に「不易」なのだろう。かつて人々が新宗教へと向かう動機として、


貧病争


ということが言われた*2。ここで述べられている自殺の三大原因というのは(順序は違うものの)まさに貧病争だ。
ところで、鬱病による精神力の低下による自殺*3と病気や怪我の予後に対する悲観や絶望、或いは病気や怪我による経済的負担や失業の懸念を同じ「健康問題」として一括りにしてしまうのは妥当ではないと思う。