『朝日新聞』の記事;
たしかに「痴漢」事件の客観的な証拠を挙げるのは難しい。でも、逃げたということによって、こいつは痴漢をやった筈だという第三者の印象を濃くしただろうし、何よりも「女性の肩を突き飛ばし」、「転倒」させ、負傷させたということで、傷害罪の証拠をありありと残してしまったわけだ。
痴漢とがめられ男が線路を逃走 池袋駅と御茶ノ水駅で2017年3月14日11時41分
14日午前9時ごろ、JR埼京線の池袋駅(東京都豊島区)ホームで、男が女性を突き飛ばし、線路に降りて走り去った。警視庁が行方を追っている。JR東日本によると、山手線や埼京線などで一時遅れが出て、約3万2千人に影響が出たという。
池袋署によると、赤羽駅から池袋駅方向に向かう埼京線の電車内で、20代の女性会社員が近くにいたこの男に対して、体を触られた、と指摘。女性は池袋駅で男と共に降車したが、ホーム上で男がいきなり女性の肩を突き飛ばしたという。男は線路に飛び降り、複数の線路をまたぎながら逃走したという。女性は転倒し、けがをした。男は40代くらいで、身長165〜170センチほど。署が都迷惑防止条例違反容疑で行方を追っている。
これとは別に、都内では13日、JR御茶ノ水駅でも痴漢をとがめられた男が線路伝いに逃走し、神田署が行方を追っている。
http://www.asahi.com/articles/ASK3G3GXGK3GUTIL00Y.html
さて、線路の上の「脚立」。「脚立」とはいっても、立てたのではなく寝かせたのだろうか。
最近の日本語能力低下状況を鑑みれば、「脚立」にもルビを振っておくべきなのかも知れない。「脚立」だけれど、「脚」はキャクじゃなくてキャで、「立」は訓読み。つまり重箱読みの言葉なのだが、そもそもは「脚榻子」と書いた。所謂唐音で、中世以降に中国沿海部から伝わったと推定される。マンダリンでいうと、ジャオターツに近い発音だろうか。何時の間にか、「榻子」が立つからの連想で「立」と書かれるようになり、中国語が重箱読みの和漢混合の語に化けてしまったようだ。因みに、現代漢語では「脚榻子」は使われていないようだ。
路上に脚立置いた疑い、20歳男を逮捕 香川2017年3月13日11時13分
JR予讃線の線路上に脚立を置いたとして、香川県警坂出署は13日、住所不定、無職井尻翔太容疑者(20)を列車往来危険の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。現場では、プロパンガスの10キロボンベが置かれる事件も発生しており、同署が関連を調べている。
同署によると、井尻容疑者は2日未明、同県坂出市江尻町のJR予讃線の線路上に高さ1・7メートルの脚立を置き、列車の往来に危険を生じさせた疑いがある。5日夕には、ほぼ同じ場所の線路上にプロパンガスボンベが置かれ、特急列車と衝突する事故が起きていた。
http://www.asahi.com/articles/ASK3F36Q1K3FPLXB002.html
ところで、井尻君の、重くて大きい脚立を線路まで担いでいく気力の源泉は何処にあるのか。その動機はちょっと興味がある。