承前*1
『朝日新聞』の記事;
ASKAが言っていることを素直に受け入れると、「お茶」から「覚醒剤の陽性反応が出た」ということになる。「ASKAさんの話を覆す証拠が得られなかった」ということは警察もこのロジックを受け入れているわけ? よく考えると、これは凄いことだよ。勿論カフェインに覚醒作用はあるけれど*2、殆どの人はお茶や珈琲を通して毎日それなりのカフェインを摂取しているのであって、つまり誰でも「尿検査」されれば「覚醒剤の陽性反応」になる可能性があり、逆に言えば、警察は殆どすべての人を覚醒剤取締法違反でぱくれるということになる。こんなことがあっていいの?
ASKAさん「お茶を採尿カップに」 警視庁に説明2016年12月19日18時37分
組織犯罪対策5課によると、ASKAさんは11月25日夜、自宅で任意の尿検査に応じ、この尿を用いた鑑定で覚醒剤の陽性反応が出たため、警視庁が28日に逮捕した。ASKAさんは容疑を一貫して否認し、「あらかじめ用意したお茶を尿のかわりに採尿カップに入れた」と話したという。任意で尿を採取した際、警察官と妻が立ち会っていたが、同課は「手元まで確認することは困難だった」としており、ASKAさんの話を覆す証拠が得られなかったと説明した。
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ASKAさんを不起訴処分としたことについて、東京地検公安部は「尿として任意提出された液体を鑑定した結果、覚醒剤が含まれていたことから被疑者を覚醒剤の使用の罪で逮捕、勾留した。鑑定した液体が、被疑者の尿であると立証することが困難であると判断するにいたったことから、嫌疑不十分であると判断し不起訴処分としました」とのコメントを出した。
http://www.asahi.com/articles/ASJDM61S7JDMUTIL04D.html
さて、警察と「尿」というと、
笠原真「トイレ行かせず自白迫る 袴田事件、取り調べ内容判明」http://www.asahi.com/articles/ASJDG5FDGJDGUTPB01H.html
曰く、
1966年の「袴田事件」で、捜査段階での袴田巌さん(80)への取り調べを録音したとみられるテープに、取調官が「トイレに行きたい」という袴田さんの要求を受け入れず、「その前に返事を」などと自白を迫り続ける様子が記録されていることが袴田さんの弁護団への取材でわかった。テープは一昨年10月に静岡県警の倉庫内で発見され、これまでに弁護士の接見の様子を録音したとみられる音声などが確認されている。今回はさらに、取調室に便器が持ち込まれ、袴田さんが中で用を足す様子も明らかになったという。
弁護団はトイレに行かせず自白を強要するなどの取り調べの手法や、接見の録音が警察官の「職務に関する罪」にあたり、刑事訴訟法が定める再審請求の理由になると主張。近く東京高裁に再審請求の理由追加申立書を提出する。