『朝日新聞』の記事;
実は、「カジノ解禁」には消極的賛成なのだった*1。
カジノ法案、衆院通過 与党内の対応割れる異例の展開に2016年12月6日13時16分
カジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort、略称IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」が6日午後の衆院本会議で、自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。慎重論が根強い公明党は自主投票とし、与党内の対応が割れる異例の展開になった。
民進、社民、自由の野党3党は「このような拙速な審議、採決は認められない」(6日、民進の山井和則国会対策委員長)との立場から採決に抗議して退席。共産党は反対した。自民は14日の今国会の会期末までに法案を成立させる考えで、参院に送付後、7日に参院本会議で審議入りさせる方針だ。
法案は2015年、超党派の「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」所属の自民党、旧維新の党、旧次世代の党の議員8人が提出した。カジノや宿泊施設、国際会議場からなるIRの整備を推進するための基本法案で、法律の施行後1年以内をめどに必要な法制上の措置を講じることを政府に義務づける。
(後略)
http://www.asahi.com/articles/ASJD62R7XJD6UTFK001.html
しかしながら、以下にマークするのは反対意見;
保科省吾「ギャンブラーだからこそ「カジノ解禁法案」に反対する」http://mediagong.jp/?p=20319
保科省吾「<ギャンブラーだからわかる>「カジノ解禁法案」は貧困率を加速する悪法だ」http://mediagong.jp/?p=20365
最初のテクストに曰く、
後の方のテクストでは、所謂大数の法則に言及している。丁半博奕やルーレットで1/6とか1/2という確率がくっきりと現れてくるためにはかなりの回数の試行の反復が必要であり、貧乏人はその試行の反復に耐えられない。これについては一応小島寛之『サイバー経済学』をマークしておく*2。まあ、この保科さんが好きだという「競艇」を初めとした競走系のギャンブルは確率論を嘲笑うような偶発性に満ち満ちているといえる。そこから見れば、カジノというのは人間の確率論への隷属以外の何物でもないということになるのだろう*3。
例えば、筆者の好むギャンブルは競艇であるのだが、競艇のレースは時間が来れば夕方には終わる。やっていない日もある。昔は競艇場に行かなければ舟券を買えなかった。昨今ネットで買えるようになったが、レースは、当然、夜中もずっとやっているわけではない。そのため、休みが間に入ることで少しは冷静になれる。それでも依存症からはなかなかヌケきれないが、冷静になれる時間があることで、制御できている部分は決して小さくないだろう。
ところが、である。カジノにはそんな冷静になれる「休み」がない。ラスベガスであれ、どこであれ、カジノは夜通しやっている。別の見方をすれば、夜通しやらないカジノなど魅力的でないのかもしれない。
- 作者: 小島寛之
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*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101030/1288370909
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101013/1286988979
*3:ポーカーのようなカード系ははったりのようなコミュニケーション能力によって勝負が左右される。