Overtranslation

和才雄一郎「【天才かよ】日本将棋連盟の英語版ホームページが “味のある誤訳” を連発して話題 / 加藤一二三 → Kato one hundred twenty-three など」http://rocketnews24.com/2016/09/14/800585/


日本将棋連盟*1問題だけど、別に「味のあるボケっぷり」でも「間違いなく天才の仕業」でもないよ。寧ろ、凡庸ではあるけど、正しい翻訳だ。つまり、「一二三」という漢字の列を見て、それを one hundred twenty-threeと英訳するのはとても自然なことだ。「森」という漢字を見て、forestと英訳することも同様。しかし、私たちの多く(英語も了解する日本語話者)はこれを不適切だと思う。これが不適切だといえるのは「一二三」とか「森」が固有名詞(人名)の一部だということを知っているからだ。固有名詞は翻訳できない、或いは翻訳してはならないと私たちは思っている。だから、one hundred twenty-threeとかforestとかは「誤訳」になってしまうのだ。つまり、本来は翻訳できない(してはいけない)ものを翻訳してしまったという過剰翻訳の問題。ところで、「九段」は9th. danとでも英訳してもいいのに、Kudanになっている。同時に過少翻訳(udnertranslation)も生起している。そうしたところが「天才の仕業」といえるのかも知れないけれど。
Google Translationにはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111105/1320511640で言及している。