「すべての子どもは天才」(茂木健一郎)

茂木健一郎*1「すべての子どもは天才である.」http://blogos.com/article/187200/


曰く、


幼い時は神童で、20歳過ぎればタダの人、とはよく言われるが、これは特別の人のことを言っているのではない。私たちすべてに、この警句はあてはまる。では、なぜ、子どもは天才なのに大人はタダの人になるのか? 常識というものにとらわれるからだ。

不完全な子どもが、次第に学んで、大人という完成形に近づいていく。このような学習観自体が、自由をうばっている。常識、先入観という社会の安定装置で、その人の自由な発想や行動が縛られ、そのことで天才性を失ってしまうのだ。

大人になっても、5歳の子どものような自由さを保っている人を、人は天才という。そして、天才はサバイバー(生きのびた者)でもある。常識を押し付ける社会の安定化装置は強力だから、それをくぐり抜けた者だけが、創造性を維持できるのだ。

たしかに。
「社会」の側を弁護していえば、〈新しいもの〉(子ども)の衝撃から〈古いもの〉(社会)は守られる必要があるということだ。勿論、〈新しいもの〉(子ども)を吸収することによって〈古いもの〉(社会)は自己を更新することができるわけだし*2、〈新しいもの〉(子ども)の衝撃でがたがたになるような社会というのは既に老化が極まって、死期の近い社会だといえるのかも知れない。
アレントの「教育とは何か」をマークしておく。
Between Past and Future (Penguin Classics)

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