見つかった

承前*1

有名人や無名人、専門家や素人、様々な人の憶測を裏切って、男の子は行き続けていたわけだ。

Justin McCurry “Yamato Tanooka: missing Japanese boy found alive after six nights in forest” http://www.theguardian.com/world/2016/jun/03/japanese-boy-yamato-tanooka-missing-forest-found-alive-punishment-parents


NHKの報道;


北海道鹿部町男児保護 不明の小学生か

6月3日 8時32分


北海道七飯町の山林で行方不明となっていた小学生とみられる男の子が3日朝、隣の鹿部町で6日ぶりに見つかり、無事、保護されました。男の子に目立ったけがはなく、警察に対して名前を名乗っているということです。

先月28日から北海道七飯町の山林で北斗市の小学2年生、田野岡大和くん(7)が両親が「しつけ」のためとして置き去りにしたあと行方が分からなくなりました。
警察や自衛隊が周辺を捜していましたが、3日8時前、行方不明となった場所からおそよ4キロ離れた隣の鹿部町にある自衛隊駒ヶ岳演習場で、自衛隊員が建物の中に男の子がいるのを発見しました。
男の子は田野岡大和くん(7)と名乗り、6日ぶりに無事、保護されました。警察などによりますと、男の子に目立ったけがはなく、現在、病院に搬送されたということです。警察は、身元の確認を急ぐとともに、行方不明になった経緯などを調べています。

陸上自衛隊によりますと、3日午前7時50分ごろ、北海道鹿部町駒ヶ岳演習場内に男の子がいるのを隊員が見つけました。
男の子が見つかったのは、訓練の際、自衛隊員が寝泊まりする建物の中で、隊員が「やまとくん?」と声をかけると「そうです」と答えたということです。この演習場は、男の子の行方が分からなくなった七飯町の山林から北に4キロほど離れています。
発見された当時の状況について自衛隊員は「隊員が『もしかしたらやまとくん?』と声をかけたら『そうです』と元気に受け答えをしていました」と話しています。また、男の子の様子については、「おなかがすいているようだったので、隊員が持っていた水とおにぎりをあげました」と話していました。
(後略)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160603/k10010544801000.html

『日刊スポーツ』(共同通信)の記事;

不明の男児保護「28日夜から演習場にいた」
[2016年6月3日10時25分]

 北海道警によると、3日午前7時50分ごろ、北海道七飯町の林道で行方不明になっていた北斗市の小学2年、田野岡大和君(7)が、鹿部町陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された。目立った外傷はなく、自ら名前を名乗ったという。

 田野岡君が5月28日に行方不明になってから7日目を迎えていた。道警によると、田野岡君は「一人で山の中を歩いて、28日夜から演習場にいた。水を飲んで過ごした」と話している。衰弱した様子もあり、函館市内の病院に搬送された。

 同演習場は、不明現場の林道から約5キロ。道警や陸自によると、田野岡君が見つかったのは、演習場内で陸自隊員が雨宿りに使う小屋だった。訓練中の陸自部隊が見つけた。道警が、不明になってからの詳しい足取りを調べている。

 道警によると、田野岡君は28日、家族4人で訪れた公園で人や車に石を投げ付けたため、しつけとして同日午後5時ごろ、七飯町の林道で車から降ろされた。約5分後に父親(44)が戻ると姿がなかったといい、行方不明になっていた。

 道警や消防、陸自が合同捜索本部を結成し、最大約200人の態勢で現場周辺の捜索を続けていたが、手掛かりが見つからないとして、捜索本部は2日夜に解散し、規模の縮小を決めたばかりだった。(共同)
http://www.nikkansports.com/general/news/1657354.html

また、『北海道新聞』の記事;

北海道の不明男児見つかる 陸自演習場内で雨宿り 「歩いて小屋に」

北海道新聞 6月3日(金)8時18分配信



 【鹿部】3日午前7時50分ごろ、渡島管内鹿部町本別、陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で、5月28日に同管内七飯町東大沼の山林で行方不明となった浜分小2年田野岡大和君(7)=北斗市追分4=を発見したと、演習中の陸上自衛隊員から110番があった。田野岡君に目立ったけがはなく、名前を名乗るなど話もできているという。

 道警によると、田野岡君は演習場内の小屋で雨やどりをしていたという。発見時、食べ物は持っておらず、服装は行方不明時と同じだった。田野岡君は「土曜の夜に歩いて小屋にたどり着いた。水は飲んでいた」と説明しているという。

 演習場は、行方不明になった七飯町の山林から北東に約6キロの地点だという。

 田野岡君が行方不明になったと父親から函館中央署に通報があったのは28日午後5時50分ごろ。両親が「しつけ」として、車から降ろし、車で500メートル進んで5分後に戻った時には、田野岡君の姿はなかったという。

 捜索には道警と消防、陸上自衛隊など6日間に延べ900人以上が投入されたが発見できず、2日に合同捜索本部を解散し、態勢は縮小されていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00010003-doshin-soci

自衛隊もまさか自分の敷地にいるとは考えていなかったのでは? しかし、あと1日遅れたら、やはりやばかったわけだ。ところで、不謹慎と言われるかも知れないけど、面白かったのは発見された現場までの距離がソースによって区々だということ。最短4キロ、最長7キロ。
See also


「「(事件だと)疑ってごめんなさい」 「しつけ」不明男児、無事保護でネット平謝り」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00000001-jct-soci
「北海道・小2男児の超絶「サバイバル」能力 7日目に自衛隊演習場で無事発見」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00000000-jct-soci
Rhiannon Lucy Cosslett*2 “We need more good news stories, like Yamato Tanooka’s rescue” http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/jun/03/more-good-news-needed-yamato-tanooka-rescue-japan


さらに、

石戸諭*3「北海道男児不明、山中でどう生き延びるか 専門家が語る2つのポイント」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160603-00010000-bfj-soci


これは役に立つかも。


(前略)

BuzzFeed Newsは、ボーイスカウト日本連盟社会連携広報部の木本史郎さんに、子供が一人、山中ではぐれた際、助かるためのポイントはどこにあるのかを聞いた。

「今回の行方不明で気になるのは、大自然のなかで子供を1人にしたこと。こういう状況は作らないことが第一ですが、山登りなどで子供が1人、はぐれるケースは想定できます。はぐれた場合、注意すべきは2つ。万が一に備えて、家族で共有してください」

第1のポイント「動き回らない」ことだ。

「大人とはぐれた場合、そこから動かないことです。親を探さないことです。親は、もしはぐれた場合は『大人が絶対に探すからそこから動かないで』と伝える」
「子供が親を探さない利点は2つあります。むやみに動くと、親子でお互いを探す状況になり、距離が離れてしまうこと。もう一つは体力を消耗しないですむことです。動き回ると喉はかわき、おなかもすく。水分も食料も必要になります。探してもらうのを待ちましょう」

第2のポイントは「音を出す」。 

「大きな声で『助けて』と叫ぶというのもいいのですが、声を出すと意外と体力を消耗します。もっといい方法は笛を持っていくことですが、なければ石や木で音をだすこと」
「3回ずつ、音を出す。これは救難信号の基本であり、人の注意を引き寄せます。1回なら偶然かな、と思われますが3回なら意図を持っている。動物や、自然の音ではなく、人が出していると思ってもらえます。救難信号も3回ずつ音を出します。それと同じように、石や木で3回出すことです」

木本さんはこう話す。

「子供だから、遠くまでいけないだろうというのは大人の思い込みです。山中など高低差のあるところでは、子供は身軽で、意外と遠くまで動ける。自分たちが思っていたより、遠くまで離れていたということはある。約束事を作るのが大事です」