「加藤周一文庫」http://www.ritsumei.ac.jp/library/collection/collection13.html/
曰く、
このコレクションの目玉は「手稿ノート」、特に「青春ノート」だろう;
本学図書館は、2011年2月、加藤周一氏*1の御遺族より、御自宅に所蔵されていた厖大な蔵書と遺稿・ノート類の寄贈を受けました。これは同氏が、本学国際関係学部の客員教授や国際平和ミュージアム初代館長を務められるなど、本学とゆかりが深かったことから、御遺族の御意向により実現したものです。本学では、これを2016年4月に開館する「平井嘉一郎記念図書館」*2に収め、「加藤周一文庫」として広く公開することにしました。本文庫が、本学関係者のみならず市民の方々、研究者の方等にも御活用いただけることを願っています。
本文庫には蔵書のほかに、「手稿ノート」、来信書簡、写真、手帳、新聞切り抜きや地図など資料類が収められる。「手稿ノート」は、少数の冊子型ノー トと多数のルーズリーフ型ノートに分かれるが、その総頁数は10,000頁を超える。ルーズリーフ型ノートの大半は、加藤自身によって主題別にファイリン グされ、そのファイル数は1,000を超す。
これらの「手稿ノート」 は主として執筆の準備のために取られたものであり、加藤の著作や思想を精しく分析するための重要な資料となるものである。
これらの「手稿ノート」は、現在、立命館大学図書館および加藤周一現代思想研究センターを中心に整理が進められている。整理作業が完了した段階で、デジタ ルアーカイブ化し、公開する予定である(ただし一部非公開のものもある)。来信書簡や写真についても、可能な限り公開する予定であるが、公開する範囲や時 期については未定である。
「手稿ノート」には、加藤が1937年から1942年5月にかけて、すなわち17歳から22歳にかけて書き綴った8冊の冊子型ノートがある。われわれはこれを「青春ノート」と名づけて、文庫開設と同時に公開する準備を進めてきた。この「青春ノート」から、青年時代の加藤の生き方と、その後の思想と行動の原点を知ることができると考えるからである。「青春ノート」には、短編小説、詩歌、評論、随想、日記、警句などが綴られ、加藤が思索したことが記されるが、そのいくつかはのちの加藤の著作に発展継承されていく。
たとえば「一九四一年十二月八日」という表題の日記がある。そこには太平洋戦争が始まった日の大学内の様子や、教授陣の態度や、加藤が考え感じたことが述べられており、これは加藤を知る上で貴重であるばかりではなく、歴史的な資料としても貴重である。「青春ノート」公開にあたっては、公益財団法人図書館振興財団から助成を受け、TRC−ADEAC株式会社が運営する「ADEAC:デジタルアーカイブシステム」に搭載した。下記URLにアクセスして閲覧することができる。
*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070207/1170842753 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070805/1186334685 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081207/1228577503 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081217/1229480049 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081218/1229566327 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100330/1269918520 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110619/1308423176 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110628/1309278391 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150724/1437712146