『ITmediaニュース』の記事;
芳林堂の池袋本店は池袋西口における待ち合わせ場所として屡々使ったし、その最上階にあった喫茶店にも時々行っていた。勿論高田馬場も知らないわけじゃない。でも、いちばん馴染みがあったのは津田沼パルコ*1だな。芳林堂は1977年に津田沼パルコがオープンしたときからテナントとして入っていた。当時というか、1990年代に丸善が津田沼に進出するまでは、津田沼に大型書店というのはパルコの芳林堂しかなかったので、千葉県で本を買う場合の7割か8割は芳林堂だった。1980年代後半に駅前に遅くまで営業している昭和堂ができてからは昭和堂で買うことが徐々に増えていったのだが。その津田沼パルコの芳林堂も2014年5月には撤退し*2、今ではくまざわ書店になっている*3。
2016年02月26日 15時10分 更新
芳林堂書店が破産申し立て
首都圏で書店を展開する芳林堂書店が破産。
[ITmedia]
帝国データバンクによると、首都圏で書店を展開する芳林堂書店が2月26日、東京地裁に自己破産を申し立て、破産手続き開始決定を受けた。負債は約20億円。事業は書泉に譲渡することで合意しているという。
同社は「芳林堂書店」「コミックプラザ」を都内4店舗、埼玉県5店舗、神奈川県1店舗で展開。2月に入って新刊・既刊が入荷しない状態になっており、主力仕入先である書籍取次の太洋社が自主廃業も想定して会社の全資産の精査などを進める方針を明らかにしたことで、動向が注目されていた。
同社は戦後に古本販売で創業し、1948年に法人化。71年にはJR池袋駅西口に芳林堂ビルを建設し、旗艦店として池袋本店をオープン。99年8月期の売上高は約70億5000万円だった。
だが出版不況や競合大型店の出店から売り上げが減少。2003年には同社のシンボルだった池袋本店を閉店し、翌年にはビルも売却。15年8月期の売上高は約35億8700万円にまで落ち込み、厳しい資金繰りを強いられていたという。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/26/news117.html
緩やかな衰退傾向にあったことは疑い得ないが、急に「自己破産」ということになったのは、上の記事でも述べられているように、「太洋社」の廃業表明の余波ということになる*4。芳林堂だけでなく、既につくば市の友朋堂書店*5、鹿児島市のひょうたん書店などが大洋社の巻き添えを食って閉店している*6。
大洋社廃業を巡っては、例えば、
「コミックに強い取次中堅の太洋社、自主廃業も視野に」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/05/news123.html
昼間たかし*7「エロ本への影響は首の皮一枚で回避……出版取次大手・太洋社が自主廃業決定」http://otapol.jp/2016/02/post-5585.html
昼間たかし「大手書店にも経営危機のウワサが……太洋社の自主廃業をめぐり、日本の書店と出版社の苦難は終わらない」http://otapol.jp/2016/02/post-5762.html
また、
林智彦「芳林堂も破産、書店閉店が止まらない日本--書店復活の米国との違いとは?」http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35078425/
大洋社の廃業とその余波による書店のドミノ的閉店から筆を起こして、リアル書店復権の可能性を探る。実際、米国では2009年以降、中小を中心としたリアル書店の数は再度増加に転じている。
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150724/1437745163
*2:「総力特集!津田沼パルコB館4Fの芳林堂書店津田沼店が5月27日をもって閉店!」http://blog.livedoor.jp/poter7227/archives/52390765.html
*3:http://tsudanuma.parco.jp/page2/9391/
*4:他のソースでは、「自主廃業も想定して」という温い表現は使われていない。
*5:See 「つくば市の書店「友朋堂書店」、全店舗閉鎖」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/12/news079.html
*6:See 「(有)ひょうたん〜太洋社の自主廃業に向けた動きに連鎖し、店頭小売から撤退〜 」http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20160215_01.html
*7:http://t-hiruma.jp/ See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150717/1437098621