「昭和堂」の終焉

石橋毅史「津田沼駅前「BOOKS昭和堂」、閉店までの舞台裏」https://toyokeizai.net/articles/-/239253


9月15日、津田沼駅前の「昭和堂*1が閉店。開店は19861年だったので、享年32歳ということになる。


運営する大和商事はパチンコ店や居酒屋などを多角的に展開。BOOKS昭和堂は自社ビル内で営業していたが、それでも赤字事業となっていたようだ。跡地にはテナントを誘致する予定だという。

BOOKS昭和堂の売場面積は約100坪。新刊書を扱う書店が増えていた1990年代半ばまで、これは少ない人員で一通りのジャンルを扱える、スタンダードな広さだった。


だが、とくに2000年代に入ってからは、この規模の書店が続々と閉鎖している。いまの主流は、贅沢なデザインを施した空間に大勢の客を取りこむ1000〜2000坪級の超大型店か、1〜2人でも運営できる極小規模店である。本が次第に売れにくくなっていくなかで、ある程度の運営スタッフを必要とする中規模店は利益を確保しにくい。BOOKS昭和堂の場合は、社員4人、アルバイト10人ほどの人員体制だったという。

閉店の理由は、業績の低迷だという。昨年1月から店長を務めた村山智堅氏は「4〜5年前から売り上げの低下が顕著になった」と話す。

「手をこまねいていたつもりはないんです。アウトレット本(=出版社が再販指定を外して廉価販売する本)を扱ったり、ゆっくり過ごしていただけるベンチを置いたり、文具も扱ったり。ただ、肝心の本の売れ方が弱くなった。注目度の高い新刊が出ても3〜4日で動きが止まってしまう。こちらからの仕掛けも、なかなか伝わらない。私の力不足も認めなくてはいけない。全国には、同じ状況で奮闘している書店がありますから。でも現場を預かる者の実感として、閉店の判断はやむをえないと思っています」

8月に帰国したときに、9月で閉店ということを知り、そのときはへなへなと脱力してしまったのだった。昭和堂は開店当初はとにかく夜の10時まで店を開けているというのが取柄だったのだが、かつてはほぼ毎日出入りしていたし、今でも日本に帰国する度に顔を出していた。昭和堂とその下にある「シャローム」というカフェ*2がセットになった風景を私の人生から切り離すことはできない。だから、この記事を読みながら、何とも言えない喪失感を味わっていた。
さて、ブックマークを見ると、けっこう「津田沼」な人って多いんだなと思った*3。もしかして、袖が擦り合っていたかも。

Guro
私が通った(このビルが乗換通路の歩道橋に直結してた記憶が)のは、94年の1年間程度だったのだろうか。POPで店名を耳にして思い出し、さらに閉店の報を聞くことになるとは。
2018/09/27
http://b.hatena.ne.jp/Guro/20180927#bookmark-371776402

ponjpi
ああ、あそこか!待ち合わせによく使ってたな…
2018/09/27
http://b.hatena.ne.jp/ponjpi/20180927#bookmark-371776402

nijigenjin
近くにくまざわ書店丸善があるから、昭和堂に足を運ぶことが滅多になく。どちらかが無ければ閉店は先だったと思う
2018/09/27
http://b.hatena.ne.jp/nijigenjin/20180927#bookmark-371776402

zxcvdayo
津田沼丸善が物量で大正義だし、駅ビルのくまざわが一番便利だし、なんなら昭和堂よりTSUTAYAのほうが良かったという4年くらい前の感想/他にもパルコのくまざわ、イオンの、ヨーカドーの、メイト、ゲマが
2018/09/27
http://b.hatena.ne.jp/zxcvdayo/20180927#bookmark-371776402

sshoku
えっ、昭和堂閉店したのか…… 丸善やくまざわがあるから、入ったことなかったな……
2018/09/27
http://b.hatena.ne.jp/isshoku/20180927#bookmark-371776402
この人たちは、南口というか谷津方面の人たちでしょう。南口の人がわざわざ北口の昭和堂に行くということはあまり考えられない。私も、昭和堂で探してもなかったら、南口の丸善に行くということが多かったと思う。
東洋経済の記事に戻ると、記事では、2016年1月に退社した木下和郎氏の話にけっこうなすペースを費やしている。あの『白い犬とワルツを』事件は2001年のことだったのか。『白い犬とワルツを』は買わなかったけれど、丸谷才一『たった一人の反乱』*4を買うように私の背中を押したのは木下さんのPOPだった。
たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

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