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ITMediaニュース』の記事;


2016年02月23日 17時14分 更新
漢字の成り立ち表す古代文字フォント「春秋-tsu」無料公開 商用利用も可
漢字の成り立ちを表す古代文字のフォント「春秋-tsu」が無料公開された。
[ITmedia]


 漢字の成り立ちを表す古代文字のフォント「春秋-tsu」*1を太郎次郎社エディタスが無料公開した。商用利用も可能だ。

 同社が出版する書籍「漢字なりたちブック」(伊東信夫著)で使用した古代文字をデジタルフォントにしたもの。小学校学習漢字(教育漢字)1006字のうち、古代文字の判明している975文字を収録している。

 漢文学者の白川静さんが編さんした辞書「新訂 字統」に登場する甲骨文字・金文・篆文の中から、絵から楷書へのつながりが理解しやすいものを選び、イラストレーターの金子都美絵さんが描き起こした。フォントとして字を組み合わせても統一感が出るよう、太さや形を整えている。

 フォント名は東アジア文化の源流となる著作が多数生み出された「春秋戦国時代」から名付けたという。私的利用、教育目的での利用、商用利用ともに無料で、同フォントを使った創作物の商用利用も可能だ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1602/23/news142.html

白川静先生*2は既に泉下にいらして、ご感想を伺うことはできないのだった。
「甲骨文字・金文・篆文」を合わせて「古代文字」ということね。今後のバザール的な仕方での拡張・改良が期待される。重要な課題として、「古代文字」に見合った仮名のフォントを如何にデザインするのかということがあるのでは? 中国語(漢文)用のフォントとしてならともかく、日本語に使用する場合、漢字の部分だけ「古代文字」で、仮名の部分は普通のフォントだということだと、ちょっと釣り合いが取れない。
今、普通のフォントと言ったのだが、普通のフォントの代名詞であろう(と私が勝手に思っていた)明朝体がレアになっているのだという;


山崎春奈「デジタル時代の横書き明朝体「TP明朝」 「アルドノア・ゼロ」が採用、ディスプレイにも文学的なたたずまいを」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1502/09/news032.html


既に1年前の記事だが、曰く、


明朝体は、毛筆の楷書体が様式化された書体で、ゴシック体と並ぶ基本スタイルの1つ。基本的な地の文の書体として広く使われてきたが、縦の線が太く横の線が細い、縦書きの視線運びを意識した形式であることから、デジタル化の進展とともに利用シーンが減っている。Webの日本語表示はゴシック系がほとんどだ。
「TP明朝」*3を開発した「タイププロジェクト」の鈴木功氏の言葉;

ますますデバイスやメディアが多様化していく時代。そもそもゴシック体、明朝体という区分にこれからも意義はあるのか――「利用シーンに応じて最適な書体を追求するのがフォント作りの意義なので、確かに『明朝体を作ろう』というのは出発点として本来正しくないのかもしれない」と鈴木社長は答える。

 「それでも今回あえて『明朝』と名に冠したのは、居場所がなくなっていくことへのさみしさがあったから。ゴシック体が伝えるのが情報だとしたら、明朝体が表すのは文学。今求められる形にリデザインすることで、理知的な佇まいの魅力を改めて伝えたかった。活用できる場所はたくさん残っている」(鈴木社長)