殆ど全ては埃及から

アラビア語を学びましょう」http://d.hatena.ne.jp/nessko/20170121/p1


アラビア語表音文字であるアルファベットで表記される言語なのです」として、


中央公論社『世界の歴史4 オリエント世界の発展』によれば、紀元前13世紀にシリア地中海岸の古代都市ウガリットで27子音と3母音からなるアルファベットが発明されたそうです。アラビア語はアルファベットの源流を引いた言語なのかもしれませんね。
実は羅馬字もアラビア文字も原カナン文字(Proto-Canaanite alphabet)*1の子孫ということになっています。原カナン文字はさらに遡ると、古代埃及ヒエログリフに行き着く。驚かなければいけないのは、たんに羅馬字や希臘文字、或いは露西亜を中心に使われているキリル文字*2アラビア文字やそれと兄弟のような存在であるヘブライ文字だけでなく、現在世界で使われている殆ど全ての文字が原カナン文字の、さらには古代埃及ヒエログリフの末裔だという事実でしょう。印度もチベットも緬甸もタイもモンゴルも満洲も。僅かな例外は言うまでもなく漢字と漢字から派生した日本語の平仮名や片仮名など。ハングルは原カナン文字の系統からも漢字の系統からも独立した文字と考えられてきたわけですけど、最近ではモンゴルのパスパ文字の影響を強く受けているという説が有力になっているようで*3、そうだとすると、ハングルもヒエログリフの(直系ではないかもしれないけれど)子孫ということになる。また、ハングルのぱくりだという可能性が大である日本の様々な「神代文字*4もまたヒエログリフの子孫と言えます。
さて、アラビア文字ですが、かつてはアラビア語とは独立に様々な言語を表記するのに使われていた。例えば東南亜細亜のジャワ語やマレー語。カザフスタンのカザフ語は「1929年までアラビア文字が用いられていて、その後ソビエト当局により一時ラテン文字が導入され、1940年からはキリル文字に切り替えられ」、2006年からまた「ラテン文字」(羅馬字)になった*5ウイグル語は今でもアラビア文字で表記されています。
文字を巡って、楽しい情報とトンデモな説を1つずつマークしておきます;


田代大一朗「【永久保存版】これは知らなきゃ損! アルファベット26文字の起源を示したイラストが実に面白い!!」http://rocketnews24.com/2012/10/10/254169/
「文字の広がり」http://contest.japias.jp/tqj14/140391/jp/history/propagation.htm


後者ですけど、全ての文字、ヒエログリフの子孫たちだけでなく、漢字もインダス文字も、さらにはマヤやアステカといったアメリカ大陸の文字も全部「シュメールの記号」の子孫ということになっている! 壮大なトンデモ。