Via http://taraxacum.seesaa.net/article/421352975.html
「日本ではピケティでr>gより大事なこと」http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20150524 *1
ピケティ*2が構築しているThe World Top Incomes Database *3を参照して曰く、
これって、もしかして、奥村宏氏などが批判的に考察していた「法人資本主義」*4が生き残っているということでは? 「法人資本主義」において、金をせしめるのは先ず「法人」であって「自然人」ではないからだ(『法人資本主義』)。「法人資本主義」の指標としては、株式の法人による保有、さらには法人相互間の持ち合いがある筈だけど、現在ではどうなっているのだろか。
それにしても日本は所得低位90%だけでなく、上位10%でさえ実質所得が減っている唯一の国というのは衝撃的な結果ですね。なお、日本の一人あたりGDPは1995年を100とすれば2009年は105.3。しっかりプラスです。*1
分配面でみれば、 GDP ≡ 家計の収入 + 企業の収入 + 政府の収入で、
家計の収入が実質減っているのですから、日本経済は、企業が従業員給与を抑制し過ぎ(新自由主義の蔓延)、政府が税金を取り過ぎ(財政再建至上主義の蔓延)、その結果お金が回らないデフレとなって、国の経済全体を縮めているというまったく馬鹿げた状態と言えるでしょう。

- 作者: 奥村宏
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1991/05/01
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*1:shavetail1 氏のエントリーはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120307/1331052528 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120321/1332348673 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130417/1366199205で言及している。
*2:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141107/1415333843 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150306/1425570809
*3:http://topincomes.g-mond.parisschoolofeconomics.eu/#Database:
*4:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090303/1236060278 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110118/1295373044