「メディアゲーム」の新ステージ(藤代裕之)

承前*1

「文化芸術懇話会」@自民党本部及びならずものどもを巡って。

藤代裕之*2「「問題発言」を繰り返すのは、安倍政権の高度な世論操作プロレスだと考えてみる」http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujisiro/20150630-00047130/


曰く、


安全保障関連法案や沖縄問題、歴史問題など重要案件で


問題発言を行う → マスメディアや野党が批判 → 自民党の幹部が諌める → また問題発言を行う


の無限ループが起きているわけです。以前なら、マスメディアや野党の批判が高まれば、議員辞職などで「終結」して結果が出たわけですが、議員らはソーシャルメディアを使い、謝る・言い訳する・開き直るなどと同時にマスメディア批判を展開し、メディア内からも下記のような記事が出てくるので勢いは削がれます。

民主議員「書いた記者を外せ!」 政権担当時にも“報道圧力”(産経新聞*3
問題発言のループにより、多くの人が「またか」と面倒になって問題そのものに無関心になったり、追求しているマスメディアや野党が「無力」であると感じたり、自民党幹部は諌めているのだからいいじゃないかと容認する空気が生まれたり、といった変化が起きているように思います。


問題発言をもぐらたたきのように目の前に繰り出すことで、安全保障関連法案そのものの議論が忘れさられたり、深く議論されなくなったり、しているのではないでしょうか。通常であればリスクが高い問題発言を、あえて「泳がせ」それに対して遺憾の意を表明することで、まともなポジションを取るという安倍政権の高度な世論操作プロレスなのではないか、というのは考えすぎでしょうか。

安倍政権は第一期の失敗から学び、メディア・コントロールソーシャルメディア世論調査を掛けあわせた反応確認、ダメージコントロールなどが進化しています。マスメディアが従来通りの批判報道を繰り返しているだけでは、メディアゲームに敗北することになるでしょう。

「第一期の失敗から学」んだだけじゃなくて、2人の師匠、つまり石原慎太郎橋下徹からも学んだといえないか。
See also

西田亮介「『朝まで生テレビ!』の与党議員の出演拒否に見るメディアと政治のパワーゲームの変容」http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryosukenishida/20150629-00047079/