「強制わいせつ」?

『朝日』の記事;


校庭で女児の足なめる? 強制わいせつ容疑で男逮捕

2015年1月14日11時46分


 愛知県警は13日、同県岡崎市小針町、派遣社員岩永正和容疑者(39)を強制わいせつ容疑で逮捕し、発表した。

 安城署によると、岩永容疑者は昨年12月9日午後3時半ごろ、同県知立市内の小学校の校庭で、遊んでいた女児(10)の靴と靴下を脱がせ、足をなめた疑いがある。「脱がせて足は触ったが、なめてはいない」と容疑の一部を否認しているという。
http://www.asahi.com/articles/ASH1G0JC5H1FOIPE02R.html

先ず冒頭のセンテンスが文法的に破綻している。「発表した」という動詞は他動詞である筈で、つまり何を「発表した」の?
それはともかくとして、この記事を読んで考えたのは、「強制わいせつ」ってどういうこと? ということ。岩永正和の所業だと、「靴と靴下を脱が」したこと? それとも「足をなめた」こと? 岩永が「脱がせて足は触ったが、なめてはいない」という変な弁解をしているのはそれと関係あるわけ? 「靴と靴下を脱がせ」ても「足をなめ」なければ「強制わいせつ」にはならないと彼が考えているとか。Wikipediaによれば、「強制わいせつ」とは「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為」をすることである*1。そうすると、「わいせつ」って何? ということになるのだが、被害者がエロいと思ったことが「わいせつ行為」となるということでいいの? 勿論、何が「わいせつ」なのかわからなくとも、「暴行又は脅迫を用いて」いることはたしかなのだから、そっちの方でしょっぴくことも可能なのでは?
「足」というと、纏足*2を発明したかつての中国(漢族)世界を想起するが、パートナーの「 足をなめ」たりということは、異性愛・同性愛を問わず、ありふれたことであり、処女や童貞でない限り、殆どの人が経験しているといっていいのでは? ところで、言語学者鈴木孝夫*3が(言われている文脈は失念してしまったが)欧米では素足を晒すことは裸体を晒すことと同等な羞恥を感ずる行為だと述べていたと思う(たしか『日本語と外国語』)。
日本語と外国語 (岩波新書)

日本語と外国語 (岩波新書)

さて、(不謹慎ながら)「性行為動画」という言葉遣いに妙な律儀さを感じて、笑ってしまう;

性行為動画で交際継続迫った疑い、(略)
http://www.asahi.com/articles/ASH1N40XHH1NUTIL01J.html

短い時間に色々と悲惨なことばかり起こりすぎたこともあるが、昨年12月に世界をお騒がせした、大韓航空の趙顕娥ご乱行事件*4は(少なくとも韓国以外の)世間から忘却されてしまった感がある。公判が始まる。偽証強要については争うと;


Reuters “Korean Air chairman’s daughter denies conspiring in nut-rage coverup” http://www.theguardian.com/world/2015/jan/19/korean-air-chairman-daughter-heather-cho-denies-conspiring-nut-rage-coverup