『写真時代』だった

承前*1

古寺多見氏のエントリー*2を読んでいるうちに、赤瀬川源平の『超芸術トマソン』が元来白夜書房の『写真時代』に連載されていたということを思い出した*3。まあ出版社限定でいうと、1980年代文化の表の代表が(『現代思想』の)青土社だとすると、裏の代表は(『写真時代』の)白夜書房だと言えるかも知れない。現在の白夜書房*4は遺憾ながら全然エロくない出版社であるようなのだが。『写真時代』で印象が強かったのは読者投稿の〈パンモロ写真〉。つまりはスカートの真下からの盗撮写真。たしか『ガロ』だったと思うけど、上野昂志が圧倒的に画一的な〈パンモロ写真〉をポストモダーンな御真影だとするエッセイを書いていた。『写真時代』は警察権力による弾圧を何度も蒙り、最後は〈発禁〉同然で廃刊してしまったのだが、(当時の基準でも)明白な犯罪行為だった筈の〈パンモロ写真〉がお咎めを受けたということはなかった。想像(妄想)するに、若き日の植草一秀ちぇんちぇーは『写真時代』を愛読していた筈だと思うのだが、これはやはり妄想にすぎないのだろうか。

超芸術トマソン (ちくま文庫)

超芸術トマソン (ちくま文庫)

See also
末井昭「僕の『写真時代』の時代」http://deco-tokyo.com/misyuroku/misyuroku7.html

そういえば、岡崎久彦*5が死んだという*6