遅ればせのスコットランド

スコットランド独立を問う住民投票、その結果としての独立の否定については全然言及してこなかった。記事を幾つか取り敢えずマークしておく;


“The Guardian view on the Scottish referendum: a big moment that demands a big response” http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/sep/19/guardian-view-scottish-independence-big-moment-demands-big-response
Jonathan Freedland “Scotland started a glorious revolution. Don’t let Westminster snuff it out” http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/sep/19/scotland-glorious-revolution-westminster-anoraks-debate


独立反対が55%ということで、どちらにせよ、圧倒的多数で決まったということではない。ほぼ平和にことが推移したのは、イングランドスコットランドとの関係が(少なくとも敏感な記憶に残る範囲では)血腥くなかったことによるのだろう。多分、北アイルランドだったら、かなりの血が流れることになるのだろう*1
幾つか疑問。独立の是非ということだけど、例えばカナダや濠太剌利みたいに英国国王を名目的な国家元首とした英連邦内での独立国という選択肢はないのか*2。これは王権を前提とした発想だけれど、そもそもスコットランド独立論には政体の選択、つまり君主制か共和制かという問題も含まれていた筈なのだ。しかし、報道においては、この政体問題は殆ど言及されていなかったようだ。
さて、スコットランド語(Scots)は古英語の要素を未だに保存している言語。あの「蛍の光」の原曲の歌詞もスコットランド語である*3スコットランド語の公用語化を!
スコットランド語を巡って幾つか;


Wikipedia
(英語)http://en.wikipedia.org/wiki/Scots_language
スコットランド語)http://sco.wikipedia.org/wiki/Scots_leid
(日本語)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E
Scots Language Centre http://www.scotslanguage.com/
Dictionary of the Scots Language/ Dictionar o the Scots Leid http://www.dsl.ac.uk/
スコットランド語の数体系」http://www.sf.airnet.ne.jp/ts/language/number/scotsj.html


イングランドスコットランドの関係は血腥くないと書いたけれど、グラスゴーで調子に乗った独立反対派が独立派を襲撃するという事件が起こっている;


Libby Brooks “Violence in Glasgow as loyalists attack pro-independence supporters” http://www.theguardian.com/uk-news/2014/sep/19/violence-glasgow-scotland-loyalists-attack-independence-supporters


ヨーロッパで分離独立運動の激しい国といえば西班牙だが、カタルーニャ では11月に独立を問う投票を行うという。但し、マドリードの西班牙政府はこの投票をそもそも認めていない;


Ashifa Kassam “Catalan MPs set to approve law on independence vote” http://www.theguardian.com/world/2014/sep/15/catalan-law-independence-vote
Ashifa Kassam “Scotland chose best option, says Spain's PM as Catalan campaign continues” http://www.theguardian.com/world/2014/sep/19/catalan-pro-independence-campaigners-persevere-referendum-law
Ashifa Kassam “Catalonia's parliament paves the way for November vote on independence” http://www.theguardian.com/world/2014/sep/19/catalonia-parliament-independence-referendum-vote


スコットランドで思い出したのだが、どういう経緯で知り合ったのか忘れてしまったが、1990年代に、グラスゴー在住の或る女性とメル友になり、3年くらい文通をしていたのだった。

*1:北アイルランドの場合、選択肢はUKへの残留かアイルランド共和国への統合かということになる。

*2:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100110/1263064196

*3:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060723/1153681745で「蛍の光」に言及した際、”Auld Lang Syne”の歌詞を「スコットランド英語」だと書いたが、これは誤解を招きやすいというか、(完全ではないにしても)誤りに近い表現なので、「スコットランド語」に訂正しておく。