単独犯だった - Living, Loving, Thinking, Again

『朝日新聞』の記事；

カナダ首相「テロ行為を非難」　ケベックのモスク乱射
ニューヨーク＝中井大助
2017年1月30日14時42分

　カナダのケベック市のモスク（イスラム教礼拝所）で２９日夜、銃乱射事件が発生した。ロイター通信は、モスクの会長の話として、夜の祈りの最中に事件が起き、５人が死亡したと伝えた。同通信は目撃者の話として、「多くて３人の銃撃者が、約４０人に向かって発砲をした」とも報じている。
　カナダのトルドー首相は「祈りの場でのイスラム教徒に対するテロ行為を非難する」と声明を発表し、事件をテロだと表現した。ケベックの警察はツイッターで、モスクで銃撃があり、「複数の死者と負傷者がおり、複数の容疑者が逮捕された」と発表している。
　カナダのＣＢＣテレビによると、２人の容疑者が逮捕されており、３人目の容疑者がいる可能性もあるという。同テレビによると、現場となったモスクの外には昨夏、切断された豚の頭が置かれるなどの嫌がらせが起きていたという。
　ケベック市は、モントリオールの北東約２６０キロに位置するケベック州の州都で、人口は約５５万人。ケベック州では近年、イスラム教徒の移民が増えていることに伴う摩擦も起きている。カナダ国籍を取得する宣誓のセレモニーの際、イスラム教徒の女性が目だけを出す「ニカブ」と呼ばれるベールを着用できるかどうかが議論となり、１５年にあった総選挙では争点にもなった。（ニューヨーク＝中井大助）
http://www.asahi.com/articles/ASK1Z3S99K1ZUHBI015.html

ジャスティン・トルドー首相*1の声明は、

“Statement by the Prime Minister of Canada on the fatal shooting in the city of Québec” http://pm.gc.ca/eng/news/2017/01/29/statement-prime-minister-canada-fatal-shooting-city-quebec

しかし、このテロは単独犯であったようだ（逮捕された２人のうち１人は居合わせた「目撃者」にすぎないとして釈放された）；

Ashifa Kassam “Québec City mosque shooting: man charged with six counts of murder” https://www.theguardian.com/world/2017/jan/30/quebec-city-mosque-shooting-alexandre-bissonnette-murder-charge

逮捕されたAlexandre Bissonnette（27歳）は地元ラヴァル大学*2の学生。地元の難民支援団体Bienvenu aux réfugiésによれば、彼は以前から大学キャンパス及びソーシャル・メディア上ではマリーヌ・ル・ペン*3支持と反フェミニズム的言動によって有名人だったという。日本で喩えると、「愛国先生」とか百田尚樹とかが暴走したというノリなのだろうか。
以下、犯人が１人に絞り込まれる以前に参照した記事；

“Terreur à la mosquée de Sainte-Foy” http://www.lapresse.ca/le-soleil/justice-et-faits-divers/201701/29/01-5064309-terreur-a-la-mosquee-de-sainte-foy.php
“Québec mosque shooting: five reportedly killed in Canada gun attack” https://www.theguardian.com/world/2017/jan/30/quebec-mosque-shooting-canada-deaths
“Quebec City mosque shooting: Six killed, eight wounded” http://www.bbc.com/news/world-us-canada-38793071

なお、このテロの犠牲者の中には、ラヴァル大学の教授もいたのだった。

*1:仏蘭西語的にジュスタンと言うべき？

*2:http://www.ulaval.ca/ See eg. https://en.wikipedia.org/wiki/Universit%C3%A9_Laval