iPS手術

『読売』の記事;


理研、目の難病にiPS細胞で世界初の手術
2014年09月12日 21時26分


 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと先端医療センター病院(ともに神戸市)は12日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜の細胞を、目の難病「加齢黄斑(おうはん)変性」の患者に移植する臨床研究の手術を行ったと発表した。

 様々な組織や臓器の細胞に変化させられるiPS細胞を用いた再生医療は世界初。患者の経過は良好としている。京都大の山中伸弥教授(52)が2006年に生み出した「夢の細胞」は、誕生から8年で、本格実用に向け新たな段階に入った。

 理研高橋政代プロジェクトリーダー(53)*1らが移植用細胞の作製を、同病院の栗本康夫・眼科統括部長(53)らが移植手術を担当した。

 発表によると、患者は兵庫県在住の70歳代女性。症状の進行を食い止める薬剤注射を3年前から18回受けたが、効果はなく、視力が徐々に低下していた。

 高橋リーダーらは、女性の腕から採取した皮膚細胞に6種類の遺伝子を組み入れてiPS細胞を作製。それに特殊なたんぱく質を加えて網膜組織の一部「網膜色素上皮」に変化させ、シート状に培養した後、長さ3ミリ、幅1・3ミリの短冊形に加工した。細胞採取からシート作製までには約10か月かかった。

 手術は、栗本部長ら医師や看護師など約10人が実施。患者に全身麻酔をかけた後、午後2時20分に執刀を開始した。右目の表面に穴を開け、傷んだ網膜組織や異常な血管を除去。その部分に、管状の特殊な器具を用いて細胞シートを貼り付けた。

 手術は同4時20分に終了。患者は15分後に麻酔から覚めた。大量出血といったトラブルはないという。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140912-OYT1T50105.html

また、NHKの報道;

世界初iPS細胞手術「成功したと考える」
9月12日 21時17分


神戸市にある理化学研究所などの研究チームは、iPS細胞を使って目の網膜の組織を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させようという世界初の手術を行いました。研究チームは12日夜、記者会見し、「手術は成功したと考えている」と述べました。
京都大学山中伸弥教授が開発したiPS細胞が実際の患者の治療に使われた初めてのケースで、再生医療の実現に向けた大きな一歩になると期待されます。

世界初の手術を行ったのは、神戸市にある理化学研究所高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療センター病院などの研究チームです。
手術を受けたのは、「加齢黄斑変性」という目の病気のため視力の低下を抑えられなくなった兵庫県の70代の女性の患者で、研究チームはまず、患者の腕から皮膚の細胞を僅かに取り、iPS細胞を作り出しました。そして、このiPS細胞を目の網膜の組織に変化させ、12日、病気のため傷ついた網膜の一部を取り出したあと、移植する手術を行ったということです。
手術は神戸市にある先端医療センター病院で行われ、午後1時45分から麻酔をかける処置を行い、患者はおよそ3時間で麻酔から覚めたのが確認されたということです。
12日夜、記者会見した研究チームによりますと、多量の出血など問題となるような事態はなく、患者はすでに病室に戻って元気な様子だということで、先端医療センター病院の栗本康夫統括部長は「手術は成功したと考えている」と述べました。
また、高橋リーダーは「手術が無事に終わって非常に安どしている。これは臨床研究の1例目で大きな一歩ではあると思いたいが、治療法にしていくため、どんどん進んでいかないといけないと思っている」と述べました。
医療チームによりますと、今回の手術は、この治療が安全に行えるかどうかを確認することが第一の目的で、患者は、視力の維持に必要な細胞の多くが死んでしまっているため、期待できるのは、視力の低下を抑えたり僅かに回復させたりすることだということです。
ただ、安全性と効果が確認されれば、視力を大幅に回復させる病気の根本的な治療法になる可能性があるということで、研究チームは今後、4年間にわたって患者を定期的に診察し、移植した組織の状態を確認することにしています。
京都大学山中伸弥教授が開発したiPS細胞が実際の患者の治療に使われたのはこれが初めてで、再生医療の実現に向けた大きな一歩になると期待されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140912/k10014571441000.html

人工多能性幹細胞」(iPS細胞)についてのWikipediaエントリーは、


日本語 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E
英語 http://en.wikipedia.org/wiki/Induced_pluripotent_stem_cell


また、「加齢黄斑変性」については、


日本眼科学会「加齢黄斑変性http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_karei.jsp
Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Macular_degeneration http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E9%BD%A2%E9%BB%84%E6%96%91%E5%A4%89%E6%80%A7

ところで、iPS細胞を巡っては、森口尚史というおっさんがいたけれど*2、5月の『東スポ』の記事;


“偽iPS男”森口氏が小保方氏にまさかの助言
2014年05月12日 11時00分


 STAP細胞論文を不正認定され、窮地に陥った理研小保方晴子ユニットリーダーに何とも頼もしい…いや、見方によっては厄介な“援軍”が現れた。“偽iPS男”こと森口尚史氏だ。


 同氏はiPS細胞を使った心筋移植に成功したとブチ上げたものの、のちに大半がウソと判明。世間から大バッシングを受けた。同氏は現在、インターネットサイト「探偵ファイル」にコラムを寄稿しており、人知れず小保方氏を援護射撃している。


 9日には「STAP細胞はあったのか?」と題した記事をアップ。もはや小保方氏は、理研内に保存してあるSTAP細胞を第三者機関に提供、検証してもらうしかないと提言。その際に「それらは私の子供のようなものでもあるのです…涙を添えて…」と声明を出せば「批判派・擁護派を問わずに絶大な支持が集まる」と言い放っている。


 同氏の脳裏にはマスコミに追い掛け回された嫌な思い出があるのか、こんなアドバイスも。
「報道及び専門家は『もはや出てきて釈明しろ!』という。しかし彼女が記者会見に臨むのは『事実の解明』にはあまりつながらないと思うので、お勧めしない。私の経験上、視聴者に更なる誤解を与えるだけである」


「彼女に言葉巧みに集ってくるのは邪なアウトサイダーだけだ。一連の問題の事実を解明しようとするならば、追い込むのではなく『逃げ道』を用意してあげることだ」


 ほかにも小保方氏と自身の扱いを比較し「(小保方さんは)論文内容の追試さえ成功すれば良いと言われます。それでは第3者による厳密な追試が患者さんで成功した私の論文が『捏造扱い』されるのは一体どういうことでしょうね(笑)?」とグチもこぼしている。


 こうした“先輩”の声に小保方氏を知る関係者は「絡んでほしくないですね。以前、週刊誌でSTAP問題を“第2の森口騒動”とやられたことに、彼女は納得がいっていなかった」と話す。


 余計なお世話ということか…。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/264912/