幼児と大人

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同志社サークルが「肝試しホモ試し」企画 差別批判殺到で謝罪、サークル登録も取消
2014/8/22 18:09


同志社大学のイベントサークルが「肝試しホモ試し」という納涼企画を立て、ハッテン場と呼ばれる男性同性愛者の出会いの場に行く、とツイッターで発表した。すると、大学に同性愛者と思われる人らから多数の批判が寄せられ、大学はこのサークルの団体登録取消処分を行った。一方、サークル側はツイッターで繰り返し謝罪したほか、サークルのブログにも謝罪文を掲載した。

今回の企画には「同性愛者を差別する行為だ」などといった批判が起こり、ツイッターでは大学に抗議しようとの呼びかけも出ていた。


「ハッテン場」に午前2時頃に行って涼を求めよう
処分された同志社大学のサークルは「モチコミ企画」という名称で、激辛店舗の食べ歩き、段ボールハウスを作ろう、カルピスは何で割ればうまいか、クリスマスに男たちだけでパーティーをやる、といった他愛もないことをして、その様子を写真付きでブログにアップしていた。

2014年8月上旬に企画したのは「肝試しホモ試し」。京都にある「ハッテン場」に午前2時頃に行って涼を求めようというものだった。この企画をツイッターで発表したところ、同性愛者を笑いものにし差別する行為だ、などと激怒する人たちが現れた。

2000年にホモやゲイを狙い恐喝や暴力が繰り返され殺人事件に至った東京の「夢の島殺人事件」を持ち出し、「ゲイの弱みにつけ込み、ホモは被害届を出さないといったあの事件に共通する」などと主張する人も現れた。ツイッターでは

「再発防止のために、何か残せるような決着をめざしたい」

とし、大学やサークルへの抗議呼びかけも出た。

この騒動を受け同志社は14年8月20日、同性愛者の方を深く傷つけ、その他多くの方々から批判を受ける結果になったとし、同志社大学学生支援センター所長の名前でサークルの団体登録取消を通達した。


「社会的な問題に関し無知だった」
団体登録が取消される前日の19日付けでサークルは「被害を受けた皆様」という題の長文の反省文を書き、サークルのブログに掲載している。おおむねこんなことが書かれている。

今回の企画の発想自体がとても危険な可能性を持っていることに気付かずに、結果的にセクシャル・マイノリティの方々を差別視してしまった。自分たちがどれだけ軽率であったのか、どれほど不愉快な思いをさせ、傷つけてしまったのかを強く感じた。社会的な問題に関し無知であり、どうなってしまうのかを考えられなかったことに恥じている、などという内容だった。反省文と大学側の通達文はサークルのブログにアップされていて現在も読むことができる。

学生の反省文と大学が下した処分について、今回の騒動を問題視している人たちの中には、

「団体登録取り消しだけ?生ぬるいわ!!どんだけ人を傷つけたか考えろ」
「彼らが犯した同性愛差別、なぜ悪いのか、多くの当事者を傷つけたことを本当に猛省して欲しい」

などといった意見がある一方、学生の企画を早く発見できて行動を阻止できたことが一番大きかったと胸を撫で下ろす人もいる。
http://www.j-cast.com/2014/08/22213822.html?p=all

この記事を読んで感じたのは、この「モチコミ企画」というサークルの連中の幼児性である。「同性愛」差別というよりは、たまに(異性愛の)カップルを冷やかすような小学生っているでしょ、そういう感じの幼児性。だから、この連中に対する社会或いは大学の対応はその精神年齢を引き上げることを目指したものでなければならない*1。成熟すること、そのひとつの指標は、世界が広くて複雑なものであることを認識し・肯定すること、それを可能にする精神的体力が涵養されることである。そのような意味においてこの人たちの精神年齢が引き上げられたのかどうかはわからない。ただ、(敢えてせこいと言ってしまうべき)大人の悪知恵は身についたのかも知れないのだ。「反省文と大学側の通達文はサークルのブログにアップされていて現在も読むことができる」ということだが、私がこれを書いている時点で、幾つかある「モチコミ企画」のblogはどれも閉鎖されてしまっている*2。つまり、こいつらはトンズラをしたのだ。突っ込まれれば、型通りの謝罪をして、あとは雲隠れを決める。こういう大人的な態度を獲得したのであれば、企業世界や官僚世界は大歓迎ということなのかも知れない・けど。

今度は、一応ガキではなく大人の話;


「「アイヌ民族もういない」札幌市議、過激発言連発 批判の声に「本当のことを言うと議員辞めなければならないのか」」http://www.j-cast.com/2014/08/17213275.html?p=all


今年はトンデモ地方議員というのが流行っているようだが、その一種といえるだろう。記事に曰く、


金子市議は2014年8月6日、札幌市役所前に韓国の国旗が掲揚してある写真とともに、「またもや、札幌市役所に韓国国旗が掲げてありました。いったい札幌はどうなってしまったのでしょうか。強く正しい札幌を取り戻さなければなりません」とツイートした。

これに対し他のツイッターユーザーから「北海道にはアイヌ民族の問題もある」とのリプライが寄せられると、8月11日にこう投稿した。

アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません」

このツイートが8月14日頃から拡散され、「札幌市議によるヘイトスピーチ」「ばかもの。議員辞めなさいあんた」「レイシスト(差別主義者)!同じ日本人として恥ずかしい!」など非難のリプライが寄せられる事態に発展。金子市議は8月16日、ブログで真意を説明した。

金子市議によると、「アイヌを法的に証明する根拠が現行法にない」のだという。一方で北海道では、アイヌの人に低金利の住宅新築資金貸し付けなどの支援を行っている。これが、アイヌを名乗ることで行政からの便宜を獲得する「アイヌを称する利権」だと持論を展開した。過去に議会で指摘し、これからも問題提起を続けていくと強調している。

しかし、このブログにも「言い訳に終始か」「どこがアイヌがいないという結論になるのか?」「抗議されて当然」など、やはり批判が集中した。

この金子快之のサイトはhttp://kaneko-yasu.seesaa.net/ 一言申せば、この人はnationalityとethnicityの区別が分かっていないということなのだ。ところで、金子さん、市役所の太極旗や五星紅旗を見て頭に血が上るなら、学校の運動会に行けば間違いなく発狂するだろうね。こっちの方は万国旗だよ。
アイヌ」存在否認問題については、http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20090929/1254249911 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091004/1254657572 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091004/1254657572も参照されたい。小林よしのりの言説を巡って。