「そしてオタクたちは、また迫害されていく」http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20131231/1388453783
KoshianX*1って「非モテ」論客だったんだね。
さて、上のエントリーの背景になっている『人工知能学会誌』表紙問題に関しては、関係リンクが豊富な、
「人工知能学会誌の表紙の話はドレスコードの話と同じ」http://d.hatena.ne.jp/next49/20131230/p1
「次は情報処理学会学会誌に関してポリティカルコレクトな表紙かを語ろう」http://d.hatena.ne.jp/next49/20131226/p3
をマークしておく。
さて、この問題を考えるに当たって、(例えば)カレル・チャペックの『ロボット』に遡って、人工知能なりロボットなりを、またそれらが体現している〈労働〉の存在論的な地位を脱構築せんとした人はいるのだろうか。あの絵が女性差別的か否か。この問題を軽んずるつもりはない。しかし、それはもっと大きな問題の一部なのではないか。つまり、現実存在(existence)を本質存在(etre)に還元してしまうこと*2、とりわけ人間を機械*3に還元してしまうことの暴力性に関わる問題。これは、表紙の是非どころか、人工知能の研究開発自体が絶えず反省を要請される問題なのだが、研究開発に無縁な私たちもこれから逃れることはできないだろう。生きるということは否応なく、また無自覚的にそうした還元の暴力を行使することを含んでしまっているともいえるわけだから。
- 作者: カレル・チャペック,Karel Capek,千野栄一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/03/14
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 131回
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*1:Mentioned only in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110226/1298700874
*2:現実存在と本質存在については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159324955 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061029/1162091586 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070807/1186490802 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080106/1199634443 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081224/1230144140 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130617/1371437079 も参照のこと。なお、所謂「非モテ」問題というのは、哲学的には、この現実存在と本質存在の取り違えを軸にしているといえる。
*3:そういえば、数年前に柳沢伯夫が女=「産む機械」論を展開していたのだった。See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070128/1170005200 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070130/1170130210 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070131/1170208822 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070201/1170333898 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070205/1170643322 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070206/1170727144 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070213/1171336683 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070224/1172283619 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091103/1257248906 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110802/1312305275