秋山駿

『毎日』の記事;


訃報:秋山駿さん83歳=文芸評論家「内部の人間」

毎日新聞 2013年10月03日 13時12分(最終更新 10月03日 14時14分)


 戦後の日本を代表する文芸評論家の一人で、「内部の人間」や「信長」などで知られる秋山駿(あきやま・しゅん)さんが2日、食道がんのため83歳で亡くなった。葬儀は近親者で営む。喪主は妻法子(のりこ)さん。後日、お別れの会を行う。

 東京生まれ。早稲田大学卒業後、報知新聞社に勤務。入社前の放浪期に「石ころ」を原点に自分の思想を展開するという批評の方法を手にする。1960年「小林秀雄」で群像新人文学賞を受賞し、文芸評論家としてデビュー。

 「文学者」に評論を発表し始め、小松川事件をめぐる「想像する自由」、「イッポリートの告白」などで犯罪者の孤独や喪失感などといった現代人のギリギリの内面を考察し、三島由紀夫らに称賛された。「内向の世代」に伴走する評論家として活躍した。時代・歴史小説の評論でも知られる。

 毎日新聞文芸時評を87年から93年まで務めた。90年「人生の検証」で伊藤整文学賞、96年「信長」で毎日出版文化賞野間文芸賞、2004年「神経と夢想−−私の『罪と罰』」で和辻哲郎文化賞受賞。97年、日本芸術院会員。
http://mainichi.jp/select/news/20131003k0000e040232000c.html