「財閥の娘」

『毎日』の記事;


詐欺:「財閥の娘」偽り2億円か、65歳女逮捕 兵庫県
毎日新聞2013年6月12日(水)13:45



 「父親が三井財閥の大株主なので、現金を預けてくれれば利息をつけて返す」とうその話を持ちかけ、現金をだまし取ったとして、兵庫県警生活経済課は12日、島根県浜田市の無職、新井(にい)紀代美容疑者(65)を詐欺容疑で逮捕した。「(兵庫県芦屋市の高級住宅街)六麓荘に実家がある」「軽井沢に別荘がある」などと偽り、裕福だと信じ込ませていたという。県警は同様の手口で2002年からの9年間に、数十人から総額約2億円を詐取したとみて調べる。

 逮捕容疑は、09年8月、姫路市の60代の主婦に対して「私は三井財閥の娘で、父親とおじが三井グループの大株主だ。いい利息がつくので現金を預けて」と持ちかけ、現金500万円をだまし取ったとしている。

 新井容疑者は当初、この主婦から現金300万円を預かり、利息分を上乗せしたとして500万円にして返還。再び利息がつくと信じ込ませ、500万円を預かったまま返還しなかったという。

 新井容疑者と以前の勤務先で知り合った女性(64)が被害者との間を仲介するケースが大半で、9年間で総額約3億5000万円を預かり、約1億5000万円は利息として還元していたという。【宮嶋梓帆、豊田将志】

 ◇「医者」「農園所有」うそ重ね

 「神戸大医学部を卒業した外科医」「息子2人がアメリカで医者をしている」。新井紀代美容疑者は金持ちと信じ込ませるため、うそを並べ立てて現金を集めていたという。

 1000万円以上の被害にあった兵庫県内の60代主婦は、友人の女性から「あの人は三井財閥の令嬢。お金を預ければ増やしてくれる」と5年前に新井容疑者を紹介された。

 金融市場や株価の動向を説明する新井容疑者に圧倒され、初対面で現金数百万円を預けた。毎月の利息5%は数年間、友人女性が届けてくれたため、追加で数百万円を預けた。

 友人女性がサクランボ「佐藤錦」を届けに来たこともあった。新井容疑者が「山形で所有する農園で作った」と説明したという。

 ところが2年前から利息が滞り始めた。「今思えば、だまされていた」。契約書はなく、家族に相談して被害に気づいた。主婦は「欲が出てしまった結果で、家族に申し訳ない。1万円でも多く返してほしい」と肩を落とす。【宮嶋梓帆】
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130612k0000e040223000c.html

昨年世間を騒がせた(例えば)木嶋佳苗*1のように異性に対する色仕掛けが絡むのではなく、同性・同世代をターゲットとしているのね。
こういう「詐欺」ネタは読んでいて愉しいということはある。何しろ「被害者」は「欲が出てしまった」小金持ちで、何よりも生命に別状はないようだし、良心が疼くことなく、笑って読み飛ばせるからだ。
ところで、この記事を書いた新聞記者はセンスが悪いと思う。「新井紀代美容疑者は金持ちと信じ込ませるため、うそを並べ立てて現金を集めていたという」。あのね、折角「うそを並べ立てて」も信じてくれないということは往々にしてあるの。「うそを並べ立て」ればいいんだったら、誰もが(俺だって)大富豪になれるのでは? つまり、何故「並べ立て」られた「うそ」が信じられたのかということこそが問題なのだ。印象操作において、「うそ」のplausibilityを維持するために、言葉遣い、所作或いはファッションが如何にして配慮されたのか。