日本のエリツィン?


久しぶりに斎藤貴男『バブルの復讐 精神の瓦礫』(講談社文庫、2003)を捲ってみた。その中に、「弘兼憲史 ある流行漫画家の変転」という章あり(pp.225-249)。1990年から『ミスターマガジン』(講談社)に連載された若手二世政治家を主人公にした『加治隆介の議』について、「若手政治家や政治部記者たちに綿密な取材を重ね、満を持してこの作品を世に問うたと言う弘兼氏が隆介に託した政治理念は、新保守主義を掲げる小沢一郎氏のそれに酷似している」。「人気に着目した永田町の住人たちに請われ、弘兼氏は小沢新党(後の新進党)の党名決定委員会や同党の新人選考委員に選ばれもした」(p.236)。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130321/1363830350

nessko*12013/03/21 12:49
>『加治隆介の議
モデルは中川昭一だったそうですね。(マンガは未読)
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130321/1363830350#c1363837774
そうなんですか。知りませんでした。斎藤貴男氏は中川昭一*2については全然言及していません。経歴ということでは、小沢よりも中川の方が似ていると言えますね。サラリーマンをしていたけれど、(背後に陰謀が絡むっぽい)父親の死によって二代目を襲名とか。また加治隆介が鹿児島出身だというのも北海道の中川を意識していると言えるかも知れません(南北逆転)。『加治隆介の議』の最終回は加治隆介が首相に就任して、「国連を中心とした安全保障体制の確立と、そのためなら憲法改正も辞さない」という「所信表明演説」で終わるそうですが(p.246)、「国連を中心とした安全保障体制」云々というのは小沢っぽいといえるかも知れません。中川昭一がモデルだったとして、弘兼が書かなかった続編を捏造すると、加治隆介は首相として海外でも酒絡みで問題を起こして、世界のメディアに〈日本のエリツィン〉と呼ばれることになって、泥酔したまま最期を迎えることになる?