加治=小沢?

久しぶりに斎藤貴男『バブルの復讐 精神の瓦礫』(講談社文庫、2003)*1を捲ってみた。その中に、「弘兼憲史 ある流行漫画家の変転」という章あり(pp.225-249)。1990年から『ミスターマガジン』(講談社)に連載された若手二世政治家を主人公にした『加治隆介の議』について、「若手政治家や政治部記者たちに綿密な取材を重ね、満を持してこの作品を世に問うたと言う弘兼氏が隆介に託した政治理念は、新保守主義を掲げる小沢一郎氏のそれに酷似している」。「人気に着目した永田町の住人たちに請われ、弘兼氏は小沢新党(後の新進党)の党名決定委員会や同党の新人選考委員に選ばれもした」(p.236)。この本は10年前に読んだのだが、今引用した部分はノー・マークで、線も何も引いていない。その頃は小沢一郎とかには無関心だったのだ。なのに、今では小沢一郎という文字列に反応するようになってしまった。それが進歩なのか退化なのかはわからない。また、今、弘兼憲史小沢一郎についてどう思っているんだろうね? それから、斎藤貴男氏は昨年植草一秀との対談本を上梓したと風の噂で聞いているけれど、その具体的な評判とかまでは知らない。

*1:オリジナルは1999年に岩波書店から。