Two entries on Yoshimoto

承前*1

吉本隆明を巡る2つのエントリーを見つける。


「私は吉本隆明のファンではない」http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20120524/1337854482


広坂さんが最初に読んだ吉本本は『書物の解体学』と『世界認識の方法』だったのか。それも「高校生」の時に! 『書物の解体学』について言えば、カール・グスタフ・ユンクに対するいちゃもんが面白かったという記憶あり。というか俺もユンクが嫌いだったので。

吉本隆明氏の死」http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20120316/p1


1980年頃に(文庫される以前の)『共同幻想論』を最初に読んだというのは俺と同じ。「当時吉本は完全に「過去の思想家」という印象だった」。俺もそう思った。このエントリーには、60年安保の時の吉本のスピーチからの引用あり。

共同幻想論

共同幻想論

さて現在吉本は「過去の思想家」なのだろうか。意外にも、吉本は死して却ってアクチュアルな思想家になってしまったのではないかという気もするのだ。彼の死後に出てきた話題、例えば東浩紀の「一般意志2.0」とか唐突な「改憲」萌え*2。また最近盛り上がった教育と社会階級の話*3。これらは吉本の言った「大衆の原像」に関係することであり、議論が深化されるとしたら、吉本の言説は参照されて然るべきものだと言えるだろう。つまり、私たちは吉本の亡霊から自由ではない(勿論世の中には霊感の鈍い奴もいるわけだが)。