『青春』

先週の土曜日は東画廊*1で、劉任*2&蘇暢*3『青春(Youth: Everything in between)』のオープニング。
劉任が出品しているのは先ず以前から制作している卵の殻に英単語を書きつけた作品群、それから「如果(If)」というシリーズ、これは現実の社会的事件に関する微博(microblog)エントリーをトイレット・ペーパー(草紙)上に油絵で再現したシリーズ。そして40分以上のヴィデオ作品「場」。これは蟋蟀の短い一生を記録したもの。蘇暢は10点の立体作品を出品しているが、その殆どは「新村」シリーズである。建築様式としての「新村」とは1970年代から90年代にかけて上海でさかんに建てられた集合住宅であり、既に文化財として確立した老房子でもなく、最新の高級マンションでもない、中途半端な存在だとは言える。しかし蘇暢はそうした中途半端で、既にうらぶれてきてもいる住宅の一部を模型を作るかのように再現することで、古典的な山水にも匹敵する〈美〉を提示しようとしている。また「年軽的樹(Young Tree)」は梧桐の木に内面を投影した自省的作品。