- 作者: リービ英雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/02/17
- メディア: 文庫
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リービ英雄『我的中国』からメモ。
劉少奇が河南省開封で死んだということは忘れていた。
「劉少奇在開封陳列館」にて;
そして文化革命の時代、北京から飛行機で連れてこられて、この建物で人民共和国の大統領が素っ裸で、熱に震えながら、死んだ。国家主席が、自分の国の若者たちに殺された。今、その暗殺者たちが、五十歳となっているはずである。(p.140)
開封についてはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080610/1213038463も。
「死んだ部屋は見られますか」とぼくが聞いた。
「見られます」と太った女の子が返辞して、「こちらへ」と黙ったまま、中庭を通って、建物の後ろの方へ案内してくれた。
建物の後方の扉を開けたとたんに、太った女の子が「ここで亡くなった」と言った。医療用の酸素ボンベのとなりに、当時のままのベッドがあった。当時使っていた薬の小瓶が並んでいる小さな窓から、中庭のわずかな光が流れこんでいた。一瞬、のくは延安の洞窟の部屋を思い起こした。(pp.140-141)