唐突に沢木耕太郎

鎌田慧の『日本列島を往く(1) 国境の島々』を先月買ったのだが*1、以前読んだ沢木耕太郎の『人の砂漠』に与那国島をレポートした「視えない共和国」、〈北方領土〉対岸の納沙布岬をレポートした「ロシアを望む岬」が収録されていることを思い出した。この『人の砂漠』に収録されているルポルタージュは、浜松の或る偏屈な老女の死を描いた「おばあさんが死んだ」、千葉県館山の元娼婦のための養護施設「かにた婦人の村」をレポートした「棄てられた女たちのユートピア」、屑屋の世界を描いた「屑の世界」、相場師を描いた「鼠たちの祭」、戦後の所謂〈不敬〉事件を追った「不敬列伝」、岡山市にマレビトとして来臨した老女詐欺師を描いた「鏡の調書」と、どれも面白い。

日本列島を往く (1) (岩波現代文庫―社会)

日本列島を往く (1) (岩波現代文庫―社会)

人の砂漠 (新潮文庫)

人の砂漠 (新潮文庫)

向田邦子『思い出トランプ』と諏訪哲史『アサッテの人』を買う。

思い出トランプ (新潮文庫)

思い出トランプ (新潮文庫)

アサッテの人 (講談社文庫)

アサッテの人 (講談社文庫)