クラプトンが起源だった

1970年代後半の英国に「レイシズムに反対するロック」(Rock Against Racism=RAR)という運動があった。エルヴィス・コステロ、トム・ロビンソン、スペシャルズもこの運動に参加していたのだが、張鉄志『声音與憤怒』(第2版)*1をぱらぱらと捲っていて、この運動の起源にエリック・クラプトン*2が(アイロニカルな意味で)関わっていたことを知る。1976年8月にエリック・クラプトンが酔っ払いながら”Keep Britain White!”という差別発言を行った。それに対して、Socialist Workers Party*3のメンバーであったDavid WidgeryなどがNew Musical Express紙上に批判声明を発表し、同時に Rock Against Racismの立ち上げを宣言した。当時の英国では極右団体「国民戦線(National Front)」*4の擡頭が問題になっていたが、クラプトンの言動は「国民戦線」支持表明と認定されたわけである(pp.89-90)。