『観音山』について少しメモ

李玉の映画『観音山(Buddha Mountain)』*1について;


百度百科http://baike.baidu.com/view/609398.htm
豆瓣http://movie.douban.com/subject/4059245/
“观音山 “Buddha Mountain” – New Chinese Movie with Fan Bingbing” http://www.chinesecultureinstitute.com/blog/chinese-language-movie-buddha-mountain-25-03-2011/
Elizabeth Kerr “Buddha Mountain--Film Review” http://www.hollywoodreporter.com/review/buddha-mountain-film-review-32346
Taylor King “Mountain of Hope” CityWeekend April 21, 2001, p.25


タイトルの「観音山」は四川省にある実在の山で、名前の通り観音信仰の霊場であるらしい。同名の鉄道駅もあり、映画にも登場する。
四川省省都である成都でいつもつるんでいる女1人と男2人の3人組がいる。「南風」(范冰冰)と「丁波」(陳柏霖)と「肥龍」。引退した京劇女優の「張老師」(張艾嘉[Sylvia Chang])と同居することになり、3人組は最初はことある毎に張老師と衝突したり、盗みを働いたりするが、次第に4人は共感し合うようになる。後半では、4人は観音山に向かい、2008年の四川大地震で壊れたお堂の再建を行う。その途中では地震で廃墟になった街も出てくる。
南風は成都の街のバーで歌う歌手だが、父親がアルコール中毒で、その父親に虐待されてきたという過去を持つ。丁波はポッポ屋の息子だが、母親が死んで再婚しようとする父と折り合いが悪い。肥龍は肥満で、そのために常に酷いいじめの対象になっている。張老師は息子が交通事故で死んでから生きる望みを失っている。これら4人が抱える問題は、何処の国でもありそうなこと、中国特有のものではないということは注目すべきだろう。また、4人は観音堂の再建に取り組むことによって、救い或いは癒しを得る。これは中国人が救済を奈辺に求めているのかということを示している。成都と観音山の対立。
四川省の山中を潜り抜ける鉄道のシーンは、特に鉄ちゃんとか鉄子と呼ばれる人にとっては必見だろう。
『観音山』=Buddha Mountainというのは正直言って誤訳なのでは?
Nicola Davisonのインタヴューに答えて、李玉は以下のように語っている;


My previous two films have been about destruction, about destroying our relationships, destroying our love, our family. What I want to express now is that China is going through a new phase. It is rebuilding family and redicovering love. Whether it can find these again is an issue we face in this country. (“'I don't think I'm a feminist'” TimeOut Shanghai March 2011, p.17)