谷沢永一

『朝日』の記事;


評論家の谷沢永一さん死去 「紙つぶて」「人間通」

2011年3月9日11時21分


 辛口の評論で知られた関西大名誉教授で文芸評論家の谷沢永一(たにざわ・えいいち)さんが8日午後11時23分、心不全のため死去した。81歳だった。葬儀は近親者による密葬として行う。

 大阪市出身。関西大在学中、同人誌「えんぴつ」を主宰して作家の開高健らと親交を結んだ。1968年から関大教授を務め、91年、定年まで9年を残して退任した。

 書籍の成立や装丁などを研究する書誌学を専門とした。隠れた好著を紹介する一方、無内容な「名著」を厳しく批判。社会事象に関しても保守派の立場から歯にきぬ着せぬ評論を展開した。62年に日本近代文学を論じた「大正期の文芸評論」を刊行。「完本 紙つぶて」で80年、サントリー学芸賞、「文豪たちの大喧嘩(げんか)」で2003年度の読売文学賞を受賞した。「紙つぶて 自作自注最終版」で06年に毎日書評賞を受けた。独自の人生論をまとめた「人間通」(95年)がベストセラーになったほか、テレビのコメンテーターとしても親しまれた。

 蔵書家としても知られ、被災した阪神大震災では、2トントラック3台分の蔵書を処分したという。他に著書「回想 開高健」「『新しい歴史教科書』の絶版を勧告する」など。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0309/OSK201103090032.html

この方はほかの右翼系の論客(例えば渡部昇一とか西尾幹二aka「広島の金子親分」)と比べて馴染みがなかったのだが、それは関西の人だからだろうか。拙blogを検索したけれど、これまで3回しか言及していなかった。その何れも主題的に採り上げているのではない*1。「テレビのコメンテーターとしても親しまれた」というが、TVで見たことはない。関東の人間なら、「谷沢」という漢字を見て「たにざわ」とは読まないよ。ヤザワ。谷沢健一のヤザワ。それはともかくとして、『大正期の文芸評論』が名著だということはかねがね聞いてはいたが、これまで読む機会がなかった。
See also http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110309/1299673301