承前*1
http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2010/11/post-179.php
上海の住人としていうけれど、長岡義博という奴には自らの脳内で構築した〈ヴァーチャルな中国〉しかないようだ。まあ、彼にとっては日本その他も〈ヴァーチャル〉なものでしかないのかも知れないけれど。
「抗議の広がりを恐れた新華社やCCTV(中国中央電視台)が報じなかったため、安易に「転電」できなかったことが1つの理由でしょう」というけれど、これは嘘。CCTVはわからないけれど、上海のTV局は報じていた。また、新華社は翌日付で記事と写真を配信している;
“Thousands of people pay tribute to victims of Shanghai blaze” http://english.sina.com/china/p/2010/1121/348969.html
というか、中国当局はこの日曜日の「献花」報道を規制する理由はないのだ。「献花」そのものは火事の翌日から自発的に行われていた*2。それに対して、日曜日の「献花」というのは上海市政府や党のお偉いさんが出席するフォーマルなものだったからだ*3。但し、集まった人たちは動員をかけられたわけではなく、自発的に集まったわけだが*4。注目すべきは寧ろ火事の翌日から自発的に犠牲者を追悼する行動が見られたということであり、四川大地震以来中国人社会がこの種の事故や死にセンシティヴになっているということだろう(最近では、フィリピンのマニラにおける香港人虐殺事件)。日曜日の〈公式〉式典はこうした社会心理に乗っかったものだともいえる。
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101120/1290235089
*2:“Flowers presented to mourn for fire victims in Shanghai” http://english.sina.com/china/p/2010/1116/348306.html
*3:このことは、APの”Tens of thousands gather at site of China fire to mourn 58 dead as police control crowd” http://www.latimes.com/sns-ap-as-china-fire,1,2790246.storyでも言及されている。
*4:地元のメディアでは「自発」ということを強調している。