「これは困った…アメリカの極右さんたちが信じる陰謀論トップ10」http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=1810 *1
「アメリカの極右さんたちが信じる陰謀論トップ10」といっても、最もポピュラーな10の陰謀論という意味であって、順位とは関係ない。つまり、9.11テロ(06)よりも「ケム・トレイル」*2(01)の方が「極右さん」にとって優先順位が高いということではない。どんな陰謀論なのかは上のエントリーを見ていただくとして*3、「まとめ」の部分を引用しておくことにする;
かなりカリカチュア化されてはいるが、米国の「極右」の思考の特徴をよく捕まえているといえる。「とにかく護憲」ということだが、米国では左翼もリベラルも保守も憲法を後ろ盾にしており、そもそも〈改憲〉という発想は右にも左にもあまりないといえるのではないか。
〔まとめ〕 アメリカの極右さんたちの思考の特徴
・とにかく反政府(ホワイトハウス、ワシントン、大統領は反米)
・とにかく反グローバリズム(NATO、国連、環境団体は反米)
・とにかく護憲(銃規制、中央銀行、福祉や社会保障は憲法違反で反米)
・とにかく銃に固執(銃規制は警察国家への第一歩で反米)
・とにかく反ユダヤ(金融を支配し銃を規制するユダヤ人は反米)・・・以上全ては、新世界秩序の陰謀で、操ってるのはユダヤ人。
(ちなみにナチス、共産主義者、ユダヤ人は、極右さんの脳内ではみんな敵ってだけで、あんまり区別がないよ!)
これとは別にネオナチや白人至上主義があり、「極右さん」の左には普通の右翼(共和党[GOP])があるということになる。ただ、オバマ政権になってから、共和党が「極右さん」に接近しているということもあるが*4。それから、日本の自称反米・自称左翼で陰謀理論大好きのbloggerの多くは、直接的・間接的に米国の「極右さん」から理論や情報を輸入していることになるということも指摘しておかなければならないだろう。
(ネオナチや白人至上主義を含む)米国の「極右」については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080219/1203398255 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091220/1261285960 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100330/1269922011でも言及している。
*1:元ネタはAlexander Zaitchik “'Patriot' Paranoia: A Look at the Top Ten Conspiracy Theories” http://www.splcenter.org/get-informed/intelligence-report/browse-all-issues/2010/fall/patriot-paranoia こちらの方はおちゃらけたところのない真面目な陰謀理論批判。なお、Zaitchikは極右と並んで、黒人分離主義者であるNation of Islamの陰謀理論発信源としての危険性を重視しているようだ。
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080112/1200165144 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080125/1201204697 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090514/1242270615 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091010/1255140428
*3:それよりも、元ネタであるAlexander Zaitchik氏のテクストの方を推奨するけれど。
*4:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090810/1249921507 このことはAlexander Zaitchik氏も指摘している。