「目明し」

梨元勝が亡くなったという。そこで、鳥越俊太郎が梨元のことを「芸能界を徘徊する十手、目明かしみたいな人」と言っている*1。これって追悼なのか、それとも追討なのか。すぐ後で「同じ目線で聞く人情味のある目明かしだった」と付け加えているが。俺は浅野健一が『犯罪報道の犯罪』で犯罪報道をする新聞記者を「ペンをもったおまわりさん」と呼んでいたのを思い出した。

犯罪報道の犯罪 (講談社文庫)

犯罪報道の犯罪 (講談社文庫)

梨元氏が先鞭をつけた藝能レポーターとかワイドショーとかを否定するつもりはない。ただ、彼ら・彼女らがレポートした(している)のはあくまでも藝能人や藝能界であって藝能そのもの(音楽とか映画とか)ではないということはいうべきだろう。また日本の場合、藝能レポーターというのは政治記者とか政治評論家とパラレルな存在である。こいつらも政治家の誰と誰がくっついたとか離れたとか、政界については語るけれど、政治そのものについては語らない。藝能レポーターは藝能そのものには無関係というか、何の影響も及ぼしていないが、政治記者とか政治評論家は政治に悪影響を及ぼしているという違いはある。