収容所の話

馬揚「内地搶救性保護二戦盟軍高級戦俘営遺跡」http://news.ifeng.com/mainland/detail_2010_08/14/1952332_0.shtml


中国吉林省遼源市は同市に存在した日本軍の「二戦盟軍高級戦俘営」関係の資料を世界規模で蒐集すると発表した。同市では、「二戦盟軍高級戦俘営」跡を記念館として保護することを決定している*1。この収容所は1944年に設置され、香港総督、駐フィリピン米軍司令官、和蘭の蘭印総督などの連合国側の文武の高官34名が収容されていた。長らくその所在は不明であったが、2004年に米国調査団によって発見された*2
See also http://news.china.com.cn/rollnews/2010-05/10/content_2024951.htm
また、


王偉彬「日本でほとんど知られていない欧米人拘禁の「維県収容所」―戦時中アジア最大規模の収容所を訪ねて」http://archive.mag2.com/0000005117/index.html


山東省濰県(現在の濰坊市)にあった連合国民間人収容所の話。1942年3月に設置され、長江以北に居住していた連合国国民が収容され、被収容人数は最も多い時で2000名を超えた。収容された著名人としては、映画『炎のランナー』の主人公エリック・リデルがいた。彼は陸上競技を引退した後、基督教宣教師として中国に渡った。1945年2月に収容所にて病死。

上海における連合国国民収容所については、やはりバラードの『生の奇跡』を挙げておくべきだろう*3。また、蘭印(インドネシア)における民間人収容所については、UTSUMI Aiko内海愛子)”Japanese Army Internment Policies for enemy Civilians During Asia-Pacific War” (translated by Mcredith Patton) in Donald Denoon, Mark Hudson, Gavan McCormack and Tessa Morris-Suzuki (eds.) Multicultural Japan: Palaeolithic to Postmodern*4, pp.174-209をマークしておく。ところで、久生十蘭「春雪」は東京・平和島に収容された仏蘭西系カナダ人の男性と日本女性との奇妙な純愛物語。
Miracles of Life

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Multicultural Japan (Contemporary Japanese Society)

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久生十蘭短篇選 (岩波文庫)

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