模索舎が40年

『毎日』の記事;


ミニコミ書店:新宿御苑前模索舎」40周年 経営難で生き残り探る /東京

 新宿御苑前の名物書店「模索舎」(新宿区新宿2の4)が10月で創業40周年を迎える。60年安保後にマスコミに対抗して盛り上がったミニコミブームの一翼を担い、市民運動の情報交換の場ともなってきた。だが近年は活字離れやネット社会発達の影響で経営が悪化。出張販売やイベント開催で生き残りを図っている。【真野森作】

 雑居ビル1階の店舗の外壁には、講演会などのビラが所狭しと掲示されている。「持ち込まれたらどんな出版物でも販売する」のが創業以来のポリシー。十数坪の店内には、新左翼系機関紙や右翼団体の冊子、死刑囚の支援通信、野宿のノウハウ誌などがぎっしり並ぶ。取引先の版元は1000を超え、党派の機関紙を買いそろえに公安関係者も出入りする。被差別部落問題、障害者など少数者に関する書籍も手厚くそろえてきた。

 学生運動家ら50人が資金を出し合い、たまり場にしようと作った店だった。80年代まで代表だった五味正彦さん(63)は「成田・三里塚の泥を靴につけた運動家がリュックいっぱいに公害問題の冊子などを買っていった」。最も売れたのは、逮捕された際の対応策をまとめた冊子「救援ノート」だ。

 72年には、永井荷風作といわれる春本「四畳半襖(ふすま)の下張」の冊子を売ったことが事件になった。五味さんや、同じ文章を載せた雑誌の編集長だった作家の野坂昭如さんが起訴され、わいせつの概念が最高裁まで争われた。

 ミニコミ書店の草分け的な存在だが、売り上げは最近4年間で15%も落ち込んでいる。このため4月から、協力してくれるレコード店に出張販売コーナーを設けた。毎月のようにトークショーも開催して存在感をアピールしている。

 3人いる現在の経営者の一人、榎本智至さん(30)は「ここでしか手に入らない情報がある。若い世代にもミニコミの世界を知ってもらいたい」と話す。十数年の付き合いがある版元「彩流社」の春日俊一さん(38)は「独特の書棚と空気感がある唯一無二の書店。他では売れにくい本が50冊売れたこともあり、今後も頑張ってほしい」とエールを送る。
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100729ddlk13040202000c.html

地理的なロケーションの関係で、俺の場合は(1983年に閉店した)神保町のウニタ書舗の方によく行っていた。模索舎の方は3か月に1回くらい覗いてみるという感じだったか。新宿という場所のせいもあるのかもしれないけど、模索舎の方がウニタよりも所謂サブカル色が濃くて、左翼だけでなくサブカル系の人もけっこう出入りしていたのではないかと思う。俺が憶えているのは、長野県在住の今井荘之助という方が個人で出していたピンク・フロイドのファンジン『ピンク・ファン』を買ったのは模索舎だったということだ。
上の記事にある野坂昭如が編集長をしていたという雑誌は『面白半分』。『面白半分』も『話の特集』も既になし。

模索舎のサイトはhttp://www.mosakusha.com/voice_of_the_staff/