首無し - Living, Loving, Thinking, Again

「“殺人犯”被囚11年昨無罪獲釈」『東方早報』2010年５月10日
Li Xinran “Transient life of scavenging for ‘murder victim’” Shanghai Daily 10 May 2010

殺された筈の男が突然村に帰ってきたので、その男を殺した罪で服役中の男が無罪認定され、釈放された。
1997年２月15日に河南省商丘市拓城県王集郷趙楼村の趙作海とその隣に住む趙振晌が争った後、突然趙振晌が失踪した。１年後、村人が村の井戸浚いをしていたら、井戸から首無し死体が発見された。これは趙振晌の死体と認定され、趙作海は趙振晌を殺した容疑で逮捕された。「商丘市中級人民法院」は趙作海に死刑（執行猶予２年）の判決を下したが、趙作海は控訴しなかったので、そのまま服役した。その後、趙作海は二度にわたって、無期懲役、さらに懲役29年に減刑された。
他方、趙振晌は趙作海を殺そうとして庖丁を持って家を出たが、趙作海を襲撃することなく、そのまま村を出た。彼は拓城県から40km離れた河南省太康県に部屋を借りて、ゴミ回収などをして暮らしていた。持病が悪化し、医療費がなかったので、４月に趙楼村に戻ってきた。彼は自分が趙作海に殺されたことになっていることを知らなかったという。
河南省高級人民法院は、５月９日、趙振晌の「復活」を承けて、５月８日付けで商丘市中級人民法院の判決を破棄し、趙作海の無罪を宣告し、趙作海を即時釈放することを発表した。趙作海は同日午前９時に「河南省第一監獄」から出所し、11年ぶりに娑婆に出た。
殺された筈の〈被害者〉が「復活」したために冤罪が暴露され、〈犯人〉が無罪釈放された最近の例としては、1994年４月に起こった湖北省京山県「佘祥林案」がある。2005年３月に「殺害」された筈の張在玉が突然村に帰ってきたため、佘祥林は無罪・釈放された。同年10月に佘祥林は自分を逮捕した京山県公安局に156万元の賠償を申請したが、その後賠償金45万元で決着した。

http://post.news.tom.com/s/34000AB32488_2.html（「復活」した趙振晌へのインタヴュー）

さらなる謎、そもそもあの首無し死体は誰だったのか。