雲南の旱魃など


日曜日、浦東の某ホテルで開かれた雲南省旱魃救援チャリティ・パーティに出席。たしかに雲南省を初めとする中国西南部旱魃は数十年ぶりという酷いものである。1月に昆明で小雨に降られたのだが*1、そのとき、1か月以上も雨が降っていなかったと言われた。もうその時点で旱魃は始まっていたわけだ。
中国の生花の80%は雲南省で栽培されているが、劉旭陽「雲南花殤:花農的非正常生活」(『外灘画報』2010年4月8日、A20-22)は雲南省の生花栽培に対する旱魃の影響を報告したもの。既に、生花の栽培は30%減少しているという。
さて、


静岡で結構な降雪があったそうだ。静岡では五十何年ぶりという遅い降雪だったそうだが、浜松(笑)でも降ったのだろうか? 思わぬ花冷えに、「やはり地球は温暖化なんてしていない」と言い出す人たちもまたぞろ出てきそうだ。

ところで、昔、1993年のこの時期(3月末)に、南紀で雪に降られたことがある。この時も異例の春の寒波で、釣り客が「何でこの時期の南紀で雪に降られるのか。寒くてかなわん」とぼやいていた。

この1993年は、その後、空前の冷夏になって、コメが極端な不作で、タイ米が大量に輸入された年なのだった。政権交代が起きて、自民党が下野した年でもあった。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100329/1269872221

亜細亜における米の産地である日本や華東もこの寒さだし、現在また寒波が襲来しているという。1993年には「タイ米」の輸入で凌いだ。そのとき、「タイ米」を巡る排外主義的言説が(左右を問わず)流布されたことは忘れてはならないのだが、それはさて措いて、今年の場合は、「タイ米」に頼ることは容易ではないだろう。世界的な米の産地であるヴェトナムやタイの川は水位がかなり低下しているのだが、それに対して、中国がメコン川等の上流部で水力発電のために不当に取水しているためではないかという批判があり、中国政府がそれを批判したということがあった*2。ヴェトナムやタイを初めとして、東南亜細亜の川というのは源流を遡ればだいたい雲南チベットに行き着くのであって、そこが旱魃であるなら、下流の水位は低下するだろう。
そういえば、1980年代のいつか、4月の東京で雪が降ったことがあった。その翌日にまだ雪が残る公園で或る女性とお花見をしたのだが、雪の重みに耐えかねて折れて地面に落下した桜の枝が生々しく、もののあはれだねと言っていたのだった。
雲南では雨が降らないが、上海ではこの日も冷たい雨。


タクシーの中から。延安中路か成都南路の辺り(高架)

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100128/1264611198

*2:Reuters “Assurance offered over Mekong” Shanghai Daily 6 April 2010、張穎「照願湄公河下游漁業利益 中国称已停建水電站」『東方早報』2010年4月6日