奇異な話

雲南省大理の親戚から庭で獲れたというキウィフルーツが送られてきた。5日間くらい放置して熟れたのを食べると、すごい美味。
ところで、キウィというのが中国原産であるということを再確認。


キウイフルーツの原産は中国の南部で、別名「チャイニーズ・グーズベリー」ともいいます。中国ではかなり昔から存在していましたが、栽培はほとんど行われていなかったようです。そして1904年に中国を訪れた女性旅行者によってキウイフルーツの種がニュージーランドに持ち込まれ、農夫達により品種改良されて現在のキウイフルーツの原種が誕生しました。

その後50年ほどでニュージーランドキウイフルーツは生産量が安定し、輸出されるまでになりました。その際、外国にアピールするため「チャイニーズ・グーズベリー」を改め「キウイフルーツ」と命名。名前の由来はニュージーランドの国鳥「キウイバード」から来ているともいわれていますが、定かではありません。なお日本に登場したのは1960年代で、日本でも比較的栽培しやすいことから国内でも生産されるようになりました。
http://www.kudamononavi.com/zukan/kiwi.htm

新西蘭に「キウイフルーツの種」を持ち込んだ「女性旅行者」は「伊莎貝爾女士」であり、それは湖北省宜昌(現在は武漢の一部)*1でのことだった*2。「キウィフルーツ」という名称について、Wikipediaでは、

ニュージーランドで栽培が開始された当初、この果物は原産地の名をとってChinese gooseberryと呼ばれた。販売促進を狙い、現地の輸出商社によってkiwifruitの愛称を与えられたのは、1959年のことであったとされる。古い名称は、ニュージーランド産とオーストラリア産のものを区別したいときにわずかに使用されることがある。

アメリカでは単にkiwiと呼ぶことが多い。ニュージーランドではkiwiはあくまでも鳥の名およびニュージーランド人、または「ニュージーランドの」という形容詞のことであり、kiwifruitをkiwiと呼ぶことはしないため、注意が必要である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%84

と記述されている。だから、キウィフルーツというのは新西蘭産のみに限定すべきかも知れない。
http://www.kudamononavi.com/graph/worlddata/item=kiwifruitによると、キウィフルーツの生産高は、1位が伊太利、2位が新西蘭、3位がチリで、日本は8位に入っているが、原産国たる中国は上位10位以内に入っていない。他方、Wikipedia(日本語版)によると、1位が伊太利、2位が中国、3位が新西蘭である。中国ではあまりキウィが生産されていないというのは中国人のリアリティには合致する。上海だと、市場やスーパーに並んでいるキウィ(獼猴桃)の殆どは新西蘭産である。また、 獼猴桃は中国原産ではなく新西蘭原産だと思っている中国人も少なくない。
さて、キウィは「マタタビマタタビ属」。猫が食べると、やはり酔っ払うのだろうか。

*1:「宜昌」については、Simon Winchester The River at the Centre of the Worldの第9章を参照のこと。

The River at the Centre of the World: A Journey Up the Yangtze, and Back in Chinese Time

The River at the Centre of the World: A Journey Up the Yangtze, and Back in Chinese Time

See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130219/1361242926

*2:http://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%87%E7%95%B0%E6%9E%9C