Washington Post against 藤田幸久

承前*1

『朝日』の記事;


Wポスト紙、民主・藤田議員を酷評 同時多発テロ発言で

2010年3月9日12時55分



 【ワシントン=伊藤宏】米紙ワシントン・ポストは8日付の社説で、民主党藤田幸久国際局長(参院議員)が同紙に対し、2001年9月11日の米同時多発テロの犯人像に疑問を挟む発言などをしたとして「突拍子もなく、いい加減で、偽りがあり、まじめな議論に値しない」と酷評した。鳩山由紀夫首相が容認すれば、日米関係に影響するとも警告した。

 同紙は、藤田氏が最近の同紙による取材に対し、▽テロリストの犯行かどうかに疑問を挟んだ▽世界貿易センタービルの倒壊が(飛行機の衝突による)火災ではなく、起爆装置で起きた可能性があると示唆した、と紹介。そのうえで、こうした「幻想」は鳩山政権の「反米傾向」を反映していると指摘した。

 さらに「藤田氏のような無謀で事実に反した考え方を鳩山氏が容認するなら、日米関係が厳しく問われることになるだろう」と断じた。

 藤田氏は、野党時代の08年4月の参院外交防衛委員会で、国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者の関与に疑問を挟む内容の質問をした。今年1月発売の週刊朝日でも、米国は犯人を特定しておらず、ビル倒壊の原因も再調査すべきだとの持論を展開。こうした発言はこれまでも米国の対日専門家らに批判されており、日米間の新たな問題に発展する可能性もある。

     ◇

 藤田氏は9日、朝日新聞の取材に「インタビュー後の懇談で、一議員としての考えを話したもので、社説は私の肩書を含めて間違った記述もある」と、党や鳩山政権の考えではないことを強調した。
http://www.asahi.com/politics/update/0309/TKY201003090110.html

問題となっているWashington Postの社説は、


“A leading Japanese politician espouses a 9/11 fantasy”
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/03/07/AR2010030702354.html


勿論、藤田幸久の見方(views)が鳩山政権に流れる反米思想を反映云々というのは勇み足のようには思える。因みに、『朝日』の記事を読むと、「反映している」と断定していることになってしまうが、原文を読むと、慎重にseemという動詞を付け加えていることがわかる。それよりも、彼を過大評価しているのではないかとも思うのだ。ほんとうにleading politicianなんですか。私の無知なのかも知れないが、9/11陰謀論以外に、藤田氏の国際問題や外交問題に関する発言というのは殆ど伝わってこないのだ。例えば、重大な外交問題であろう沖縄基地問題に関して、彼は優れた発言でもアレな発言でも、何かしたのか。また、藤田幸久の9/11陰謀本出版記念パーティに(〈大人のつきあい〉にすぎないと信じたいが)鳩山由紀夫が出席し、小沢一郎もメッセージを送っていたということをWashington Post論説委員は知っているのだろうか。
Washington Postの社説では、”he is a Brahmin in the foreign policy establishment of Washington's most important East Asian ally”という表現をしている。これも上述の過大評価だとは思うのだが、Brahminという言葉遣いが面白いと思った。どう訳せばいいの? 娑羅門でいいの? 手許の辞書によれば、教養人やインテリを皮肉っていう意味もあるらしいが。
ところで、何故今頃になって陳腐な9/11陰謀論にナーヴァスになるのかということだけど、イランのMahmoud Ahmadinejad大統領が9/11=自作自演発言をしたということと関係があるのかないのか;


“Iranian president: 9/11 was 'big lie'” http://www.cnn.com/2010/WORLD/meast/03/07/ahmadinejad.afghanistan/index.html