どいつもこいつも

承前*1

『毎日』の記事;


同時多発テロ:自民・石原幹事長 講演で「歴史の必然」



 自民党石原伸晃幹事長は10日、青森県弘前市で講演し、11日で10年を迎える米同時多発テロについて「歴史の必然として起こった出来事ではないか」と述べた。鉢呂吉雄経済産業相の「死の町」発言などが問題になっている中、野党幹部として同時テロの犠牲者への配慮を欠くとの批判を浴びそうだ。

 講演で石原氏は、01年の同時テロ発生時に閣僚として首相官邸に駆けつけた経験を紹介した。その際に「あのテロは産業革命から続いた西洋文明の支配、ピューリタニズムに象徴されるキリスト教支配へのイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」と指摘した。【念佛明奈】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110911k0000m010053000c.html

一瞬親父の発言かと思ったよ。少なくとも彼が911陰謀理論には与しておらず、その点では藤田幸久*2浜田和幸*3よりはまともだということはわかった(笑)。ところで、何故唐突に「ピューリタニズム」が出てくるの? 「ピューリタニズム」って基督教内部の問題でしょ? 「ピューリタニズム」に対してカトリックが「反逆」するならわかるけど。また、社会人類学的にいえばイスラーム原理主義、その源流となったワッハーブ派は(少なくとも)「プロテスタント」だ(Ernest Gellner “A pendulum swing theory of Islam” reprinted in Roland Robertson ed. Sociology of Religion)。またイスラームを解説した英語の本でも、そのような潮流をpuritanと形容することは多い(Eg. Zachary Karabell People of the Book*4)。
Robertson Roland Ed. : Sociology of Religion (Pelican)

Robertson Roland Ed. : Sociology of Religion (Pelican)

People of the Book

People of the Book

ところで、中核派はこのようなロジックでもって911テロを支持していた。ビン・ラディンもこのようにしてテロを正当化していたし、ブッシュも同じ理屈でもって侵略戦争を正当化していた。ディテイルに差異はあるとしても、どいつもこいつも「文明の衝突」(ハンティントン)*5というコンセンサスが達成されてしまっている! というか、このようなコンセンサスが達成されているように見えるが故に却って血の雨が降るのだということはいっておきたい。
文明の衝突

文明の衝突

あとはおまけ。


別所良美「チョムスキーの「反テロ戦争」批判」http://www.hum.nagoya-cu.ac.jp/~bessho/bessho/ChomshyUSkritik.htm


チョムスキー*6の『9・11―アメリカに報復する資格はない! 』の紹介。

9・11―アメリカに報復する資格はない! (文春文庫)

9・11―アメリカに報復する資格はない! (文春文庫)

また、


http://kousyoublog.jp/?eid=2578
http://kousyoublog.jp/?eid=2579
http://kousyoublog.jp/?eid=2580


はビン・ラディン一代記。