減っているのに増えている

JOHN SCHWARTZ “Death Sentences Dropped, but Executions Rose in ’09” http://www.nytimes.com/2009/12/18/us/18death.html


Death Penalty Information Center*1の報告によれば、2009年の米国における死刑判決は106件で、7年連続の減少。ピークだった1994年の328件と比べると、略3分の1。死刑判決の減少が特に顕著なのはテクサス州で、1994年の34件に対して、9件。その一方で、死刑判決が減っているにも拘わらず、死刑執行は微増している。2007年は42件、2008年は38件、2009年は42件。オハイオ州立大学のDouglas A. Bermanによれば、2009年が多いというより、2008年が少ないということになる。注射による死刑執行という新技術の合法性を巡って、2007年末から数か月間、連邦最高裁の決定が出るまでの間、死刑執行の「モラトリアム」があった。死刑判決の減少については、(テクサスのように)仮出所の可能性のない終身刑の導入、殺人発生率の減少、それから予算の問題が挙げられている。最後の予算の問題だが、2009年にニュー・メクシコ州が死刑を廃止した理由は財政問題で、”the high cost of death penalty appeals”が問題なのだということだが、これは一審で死刑判決が出れば被告側は必ず控訴し、州にとってはその控訴審を維持する費用はバカにならないが、死刑を廃止すれば被告側の控訴も減るので、その方が州財政にとっては得、ということなのだろうか。
米国の死刑については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061231/1167543391でも言及した。


MARTIN FACKLER “At Japanese Cliffs, a Campaign to Combat Suicide” http://www.nytimes.com/2009/12/18/world/asia/18japan.html


自殺の名所となった福井県東尋坊で自殺防止に取り組む元警察官の話。