平田国学と夫婦別姓(メモ)

文化のなかの「女」と「男」

文化のなかの「女」と「男」

藪田貫「夫婦別姓の墓」山村嘉己、大越愛子、源淳子、藪田貫、上松建郎『文化のなかの女と男』嵯峨野書院、1992、p.88


この小文では、上条宏之『もう一つの夜明け前−−近代化と贄川国学者たち−−』という本を引き、(島崎藤村『夜明け前』の舞台となった)木曽の「贄川宿」に(既に夫婦同姓が法制化されていた)明治20年代、30年代の「夫婦別姓」の墓が残されていることを紹介している。「夫婦別姓」の墓は何れも平田派の国学者とその妻の墓。また、「別姓墓」以外にも夫婦の墓が多く、少なくとも明治30年代のこの地方では、その後一般化する〈XX家代々之墓〉という形式は普及していなかったことになる。
平田篤胤の家族観が夫婦を中心とした近代的なものであったことは何処かで読んだのだが、今出典を思い出せず。